lololoさんの映画レビュー・感想・評価

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異人たち(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アンドリュー・スコットが主演の映画が日本で公開されるなんてサイコー!、という情報しか仕入れずに見たので、(多分)全員死んでそうなファンタジーでびっくりした。なんせ最近のファッションが70-90年代風に>>続きを読む

関心領域(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

もし題名と日本版ポスターだけしか事前に情報がなくてこの映画を観たとしたら、自分はどのタイミングでこれがホロコースト映画だと気付くだろう。冒頭の不穏な音楽と長く感じる暗い画面を抜けた先に見えるのが、あま>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

デンマークとアイスランドの当時の関係、
「北欧の言語はアイスランドを土台にしてるのに、デンマークがアイスランドを支配してた」
「ドイツ発祥のルター派のキリスト教のデンマーク人牧師がアイスランドに行って
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

フランスの司法映画と言えば私の中で『私は確信する』が一番参考になった作品で、今回『落下の解剖学』は『私は〜』で得た気づきを思い出しながら鑑賞した。
「法律は誰かと友達になったら不平等になっちゃうから誰
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Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ソ連占領下のエストニアが舞台、しかもセルゲイのモデルになった人の回顧録が元になった作品というのがユニーク。

ストーリーは割と王道な男性同士の悲恋もので、「二人が恋に落ちて少しだけ幸せな時間を過ごして
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カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

長く瑞々しく創作をし続けるには、美味しいお手軽ご飯をもりもり食べ、お洒落やお化粧をして外出し、社会的役割を担い重用され、それらを実現出来る知性と体力と財力を維持し、何より目の前の刺激を楽しむ心意気が必>>続きを読む

緑の夜(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

自分にとってファン・ビンビンって、“レッドカーペットに現れるとてつもない美人”だったので、そんな彼女がオーラを全面的に隠して空港の保安検査場勤務の女性を演じているのがなんか新鮮だった。(それでも隠し切>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

いわゆるオシャレキラキラハイグレード教育な北欧とは真逆の、労働者である男女の恋模様のような人生の交差点。

この作品に高得点つけられる人って、監督のファンか映画通か、この作品を好きでいるのが好きな人な
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

開始1時間くらいほぼ料理するか食べるかしかしてないな…って思ったけど、136分終わってやっぱり9割くらい料理するか食べるかだったな…と。

男女が言い争いをしない系の静かなフランス映画。ドダンとウージ
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ガッツリとエンドロールから始まるのは興味深かった。
最初に出た「心臓より先に脳が壊れる全ての人へ」って感じの文章も好き。

同じ内容を80分くらいでやってたら評価が多少上がったと思うけど、この尺でこれ
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

なんかアントマン辺りから映像がスターウォーズっぽくなったと思う。

出トムヒの婚約者のあの人が出て来て、めっちゃ生き生きした苦悩のヴィランやっててすごいなーと思った。アメリカではああいう感じでも「謎の
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ちょうど最近「男二人が木の下で(多分射殺されて)死んでいる」というモチーフの映画を見たばかりだったので(そちらは実際の事件がテーマの同性愛映画「シチリア・サマー」。)、冒頭の原題のパートで女性から白骨>>続きを読む

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

先日観た「蜂の王」が1960年代のイタリア。そして本作は1980年代のイタリア。同性愛が故に“教唆罪”で裁判にかけられた「蜂の王」のアルドと、酷い迫害を受けて最後には何者かによって殺された「シチリア・>>続きを読む

Winter boy(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

父の死をきっかけに精神的に不安定になってしまったリュカ、長年連れ添った夫を失った母、パリで暮らす画家の兄カンタン、という三人それぞれの物語。
みんな感情の出し方は違って、何とか平気そうな顔をしていても
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蟻の王(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

140分という長尺なのに飽きないのが本当にすごい。過去、法廷、現在、更に新聞記者視点という時系列や視点変化が上手いこと機能してたと思う。

もしかしたら、違うタイミングで見たらアルドとエットレにもっと
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ナショナル・シアター・ライブ「善き人」(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

演者はほぼ3人、ステージもほぼ転換なしで進む構造が、当時のドイツの閉塞感を表現してる感じで逆に生々しい。姿が見えない街の雑踏、「水晶の夜」で迫害されるユダヤ人たちの悲鳴や銃声…。想像力を働かせながら見>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

珍しく邦題がいい仕事してる映画。もっとコメディ一辺倒かと思ったけど、女性軽視が当たり前だった時代(そして男性)の愚かさが出ててびっくりした。
この映画を見た後で「主人公たちは女のくせに生意気だった、不
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メドゥーサ デラックス(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

好みが分かれそうだけど自分はめちゃめちゃ好き。最初のクリーブの不機嫌な語りから最後まで引き込まれっぱなしだった。
ゴリゴリの犯人捜しミステリーと言うより、ヘアコンテスト内の人間模様を写すヒューマンドラ
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

いわゆる「退屈な日々から抜け出して大自然に飛び込んだら本当の私を見つけたの!」みたいなポップな話とは違った。仕事やメンタルヘルスや人間関係やネットの詐欺など、現代人が生きてる上で抱えやすい問題の蓄積と>>続きを読む

ナショナル・シアター・ライブ「ベスト・オブ・エネミーズ」(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

話は地味と言うか、政治の話なのでそんなに華やかさはないんだけど、それを舞台の見せ方の面白さや演者の演技力で魅せる強さがある。どの分野においても実力者を集めないと出来ない演目だと思った。私は政治学には明>>続きを読む

私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター(2022年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

「特に根拠なく歪みあってる姉と弟」ということだけど、普通に「出来のいい愛されてる姉の陰で、誕生日に毎年偉人を引き合いに出して“自分の無能さ”を言われ続けてた弟」と「自分の方が出来ると思ってたのにある日>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

舞台袖の緊張感、恋人の不義理を目にして乱れる息遣い、重厚なクラシック音楽……からのガンガンにエレキギター(っぽい音)が効いた現代音楽が鳴り響くOPクレジット、最高。音楽も映像も、今までに観た映画の中で>>続きを読む

卒業 〜Tell the World I Love You〜(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

BLを匂わせるブラザーフッド映画かと思ったら、BGMでめっちゃ「愛してる」って言い出してびっくりした。

みなしごで喧嘩っ早い主人公の優等生ケンが飯屋の親友タイの家に居候してて、半グレ(おばあちゃん子
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ホラーとかエクソシストとかゴシックとかあまり興味がなかったけど、観たらめっちゃ楽しめた。

多分、本作にスプラッタ要素や驚かせ要素を期待してる人は物足りなく感じると思う。でも、この映画は「アモルト神父
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アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

最近ナチスを扱う映画や本に偶然よく接していたのだけど(「ペルシャン・レッスン」や「HHhH プラハ、1942年」等)まだまだ辛い話出てくるな…。

生き延びるためとは言え、選択肢のない中で将校の気まぐ
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一分間タイムマシン(2014年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

アマプラでもショートショートが見られるの知らなかった!5分でサクッと見られるけどちゃんとオチがついてる、星新一よりポップだけどダークな「並行世界に自分のコピーを作って元の自分を殺す一分間タイムマシン」>>続きを読む

ソウルに帰る(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

台風で東京便が結構になって、ふらっと韓国に来たフレディが、何となく実の両親を探す。
実の父親が「お母さんが都会で暮らしたがったから離婚した」と知って「それだけ?」と答える辺りが、主人公のフレディが(飲
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

3.6

ジェーン・バーキンの訃報直後、フランスで彼女の葬儀が行われたのと同じ日に、この映画に流れる空気に立ち会えたのは寂しいながらも幸運だった。自分なりに追悼が出来た。
日本ではお馴染み“ぎこちない母娘関係”
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猫と、とうさん(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭で言われてた“猫を飼う男性は変わり者”とか“男性は猫の気まぐれさを好かない”って感覚はアメリカ特有のもの?日本ではあまり言われないよね?
自分の周りは男女満遍なく猫好きがいるから、そんな風に考えた
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古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

動く絵本と言った感じのイラスト感強めのアニメーションなのに、めちゃめちゃ精緻なところは精緻で、背景の空やガラスの透明感のリアルさにうっとり。映画グッズにネイルシールがあるのも納得の色彩。さすがルーヴル>>続きを読む

ランガスタラム(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

もしかしたら初めてインド映画をちゃんと見た(スラムドッグ・ミリオネアは見たけどあれはインド映画とはまた違うよね)。

思った以上に長いダンスパート、サクサク進むところとなかなか進まないところのまどろっ
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大いなる自由(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ラストの、ハンスがショーウィンドウ割って道端で煙草吸うあの数秒間、彼と同じ気持ちになる(または察する、心を重なる)ための約2時間の映画だったと思う。すごい終わりだった。

フランツ・ロゴフスキ主演の作
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

前作が映像も音楽もストーリーも含めて結構好きだった。その分、本作は映像と音楽には不満ないけど(映像の感じはむしろ前作のアメコミ一辺倒より好きかも)、ストーリーはそれらの要素の満足度よりやや劣る。
前作
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ジョゼとピラール(2010年製作の映画)

3.7

「象の旅」を読み終えたので鑑賞。私はジョゼ・サラマーゴ作品が大好きだけど、(彼だけでなく全ての)作家の情報を入れずに本を読みたいタイプなので、作家にスポットを当てたドキュメンタリーを見て大丈夫かな…な>>続きを読む

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「宗教的興奮を科学的に再現してる」っていうのは面白かったけど、結局はまたシビュラ(AI)が黒幕でしたENDなのでそろそろ別のパターンが欲しいなと思った。槙島を超えるラスボスってなかなか難しいんだろうけ>>続きを読む

Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

バイクで走る時だけが幸せで、後はずっと不機嫌で…。主人公のジュリアは、可愛いヒロインでもなければお洒落なパリジェンヌでもない。バイクを盗むし男と大喧嘩するしハッパも吸うし、意味ありげなタトゥーやお腹の>>続きを読む

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