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雪夫人繪圖のmingoのレビュー・感想・評価

雪夫人繪圖(1969年製作の映画)
4.1
傑作。長年お蔵入りになるのもうなづけるクセの強さだがそれ以上に惹きつける凄まじいものがある。超玄人向け。キャメラ成島東一郎の美意識と成沢の静謐な脚本が呼応したかのような成沢監督デビュー作。ラスト雪の山道を歩く佐久間と谷隼人を横移動ドリーで捉えた場面や朝霧のカットなど目を見張るカットの連続で、溝口より相性良いのではとさえ思ってしまう。佐久間の寡黙(雄弁)なエロスの間で争う現実的な生き方しか選べない丹波哲郎とセックスモンスター山形勲2人の対照的な男たちの造形も完璧。視覚だけじゃなく終始鳴り続ける鼓+パイプオルガンが耳にこびり付くし湖の氷が割れる音なんかも凄まじかった…
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