こうだい

名探偵コナン ベイカー街の亡霊のこうだいのレビュー・感想・評価

5.0
劇場版『名探偵コナン』シリーズ第6弾!

評判通りの大傑作。10歳の天才少年が自ら命を絶つという、コナンらしからぬ展開に冒頭から一気に引き込まれる。

日本からハブられてしまった少年が作った人工知能が、悪しき日本の世襲制を終わらせる為に50人の二世三世を殺すことで日本をリセットしようとする、というテーマ性が深い上にめちゃくちゃ面白い。最初の印象が最悪な二世4人組も、いつの間にか仲間意識が持てるようになっており、だからこそラストの物語の着地の上手さが際立っていた。

シャーロック・ホームズが活躍した19世紀末のロンドンを舞台に、まるで小説の中に入ったかのようなゲームの中で、コナンがシャーロック・ホームズの弟子として謎を解いて行く。これだけでも興奮するし、一方、久しぶりに登場した工藤優作は時を同じくして現実世界で事件の謎を解いて行く。言葉を介さずとも、そして離れていてさえも心が通じているという、父親と子の絆をよくぞ描いてくれました。めちゃくちゃ格好良いしエモい。

コナンを信用してか笑顔で消えて行く少年探偵団のシーンで既に泣いた。哀ちゃんや蘭の最後の一言も心に響きまくって、誰かがコナンの為に消えて行く度に涙が出てくる。

ゲームの中が舞台なだけに随所に遊び心が施されているし、驚愕の伏線回収もある。阿笠博士の発明品全封じ+コナンが一度完全に諦めてしまうという構成が非常に良く出来ている。本当に素晴らしい。
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