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三眼ノ村 黒魔術の章のおむぼのレビュー・感想・評価

三眼ノ村 黒魔術の章(2005年製作の映画)
3.5
かつて高校の同級生だった大学生グループが高校以来に再会した友人:タとその義母であり不貞を働いたことで彼らにこらしめられた魔性の女教師:パノーを鍵に黒魔術の怨念に巻き込まれていくホラー映画である。

婆さんが猫を食い殺すところから残酷描写はどんどんヒートアップしていき、ウミガメのスープ、最後の方の生かしながら炭になるまで手足を炙り続けるのが良かった。

残酷さを抜きにすると、ご当地ホラーという感じか、タイの土着性が如何なく発揮されており良かった。

死者蘇生、身代わり人形での拷問や見立て殺人を行える黒魔術はヴードゥー教の雰囲気である。
しかし、結末で明かされる話の根幹は呪ったことが自らに返る「因果応報」である。
それはタイに強く根付く仏教の教えであり、この映画はそれを教訓にしている。

というか、この話はどんでん返しを繰り返した結果、登場人物は全員悪人であったという結末であり、人間は基本的には因業な奴であるという諦めの感情が見える。
だから仏教の教えだけが裏切らないということに結論づけている。
そのあたりがタイらしさであると思うし、日本人にとってもかなり馴染みやすい感じのする話だと思う。

あとは見た目の話だが、湿気の多い感じや顔立ちなんかも近いと思う。
タの役者は松村雄基に似てた。

新文芸坐オールナイト『これであなたも残酷通! 世界残酷紀行』の3本目で見た。
集中力が無くなってきた。
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