回想シーンでご飯3杯いける

その日、カレーライスができるまでの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.2
齊藤工が企画・プロデュースする中編映画。一部で声の出演がある以外は、リリー・フランキーによる一人芝居である。

リリー演じるくたびれた中年男が、質素なアパートでカレーの仕込みを始める。写真立てには幼い息子の写真。夕立の雷で停電になった部屋が、彼の孤独をいっそう際立たせる。

このタイトルであれば、美味しそうに調理されるカレーを軸にした飯テロ映画になりそうなのだが、本作はあくまでリリー・フランキーが演じる男の心情が中心。視聴者からのメールを受け付けるラジオ番組のスタイルが、ちょっとレトロな味を醸し出す。

とても良い話だったけど、52分を費やす割にやや薄口。この内容であればもう少し短くまとめた方が良かったかも。