大自然の中で描かれる雄大な景色に、フライフィッシングがある日常の優雅さが美しい。
一緒に育った兄弟それぞれの生い立ちから旅立ちまでが描かれ、こんなにも性格の違いが浮き彫りで、父親の厳格な支配を無意識に受ける真面目な兄と、思い通りに行動する事ができる自由な弟がとても対照的だ。
兄弟の間には、親との関わりとはまた違う絆があり、親ならきっと口出ししてしまうような事も、兄弟なら見守る事ができるのかもしれない。
自由な弟を羨ましい気持ちではなく、ただ愛する家族として繋がり、フライフィッシングという共通の趣味を共有する兄と、心のままに生きる弟が描かれているが、そんな兄弟の過ごす普通の日常は光輝いていたのだと後半分かる描写があった。
この作品は兄弟それぞれの成功と破滅が描かれていたが、大切な人を思い通りにさせる事はできない葛藤のようなものが感じられた。
人の命は儚く、時が過ぎてしまっても、変わらない景色がそこにあり続ける、美しい自然の描写も素晴らしかった。
兄の少年時代を演じた少年がジョセフ・ゴードン＝レヴィットと似ているなと思っていたら、本人だったと知り驚いた。
