えるる

半狂乱のえるるのネタバレレビュー・内容・結末

半狂乱(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

観ている最中から舞台上の演習か現実か?を考えながら見るが、お?本当か?って思わせられるところも多くて結構夢中になってしまった。
30歳で夢を諦めなければいけない。何となくそんな風潮の中、29歳の切羽詰まった役者たちの踏んだり蹴ったり金集めたりの起死回生をかけた舞台公演当日から回想録のように7ヶ月前から始まる少しずつ始まっていく狂気。冒頭のグダグダ感と古臭いヤクザに脅されるところから全く期待せずに筋トレ中にながら見していたが後半から面白かった。
ヤクザの先輩かっこいいってどこがじゃ。
タイでオレオレ詐欺のカケコやらんでヤクザ許してくれるの優しい。チャイナマフィアの所のヤスの身のこなしが只者じゃない。チャイナマフィアと先輩の件はそのまま音沙汰なしなのヤクザも警察も優しい。
グダグダ強盗と結論が殺そうの短略的思考。こんなにダサい強盗を映像作品で見るの久々すぎて逆に新鮮。
強盗の時の信号待ちで老人をサポートして金取る胸糞の悪さがまたいい。
主演の2人は人殺しちゃってるから開き直って舞台での暴行も怖いもんなしなのかな?とか舞台上での強姦シーンはお?これは現実なのでは?と思ってしまった。
あの舞台を観て最後のスタンディングオベーションは恐怖から逃れられない狂気の中から演出だったんだとほっとした人間の心理と演技なら本気になってしまった自分たちを嘲笑うような狂気がある。
最後、金に追い詰められ殺人を観て非日常に巻き込まれ変わってしまった男とやってしまった事実から逃れられず舞台で人を騙したのに人を信じようとして裏切られた男の2人の表情がとても良い。
最後のあれも舞台観客からは演出、ドキュメンタリー映画を観た観客は現実と受け止められる。世に出せない話題作を作ったのではないだろうか?

低予算映画にあらがちな途中声がくぐもっていて何いってるか全く聞き取れない所がありいつもより音量10上げた。

胸糞映画部類なので苦手な方はは避けた方がいいと思います。胸糞好きさんは完璧じゃない完成されていない感じのこの胸糞も楽しむ感じで見て欲しいとも思います。
えるる

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