うみんちゅ

流浪の月のうみんちゅのネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

広瀬すず、あの青春のフレッシュな感じから脱却して大人になってた。最高やった。今後もテレビ千鳥のガマンすずが楽しみ。

過去に誘拐の罪で捕まった佐伯文。その誘拐の被害者とされてる当時9歳の家内更紗。文が捕まる時、文の名前を逮捕されることを拒むように呼び続けた更紗。その15年後の話。更紗にとって 父親の死・母親からの見捨て・親戚からのいびられ・従兄弟からの性的いたずら・婚約者からの暴力・世間からの過去に対する偏見 を抱えて生きてきた中、15年前も今も心の拠り所は文だけやった。でもバイト先の店長は、ええ奴やったな。ポップな洋画が唯一流れるシーンがある。そのシーンだけは更紗が唯一心の底から生きてることを楽しんでるように見えた。あとスワンボート漕いでる時な。あんな笑ってる更紗は他には見られへんかった。唯一優しくしてくれた文との幸せな更紗の気持ちと、世間が思ってる気持ちが真逆すぎる。でも世間が思ってる気持ちは"そりゃそうやろうな"っ思う。あの世界の世間側の人間やったら俺もその気持ちになるやろうから。だからこの世界で同じことが起こっても同じ気持ちになるやろう。2人しかわからん世界やし、15年前に関しては法律が絡んでたからこそ、ああなってしまうよな。暴力までいくのはやりすぎやけど更紗の婚約者のムーブとしては正しいように思えた。文が誘拐してない・性的なことを目的としてないつてわかってるのは2人だけやからな。更紗も自虐してたけど、目を覚ませよって言ってあげるために見守ってる的なとこあったわあったな。更紗は人を間違えた。でもそんなレベルではない文への想いがあるのは間違いなかった。後半は更紗の気持ちが爆発しすぎてストーカーしてたな。それにプラスで、あのバイト先の女が娘を捨てて男作って出て行って、文の近くにおるってなった時、やばいことになるかもなと思ったのが現実になってしまったな。終盤、文の彼女の立場はどうなるんやって思ったけど、結果的に嘘までついて切り捨てる文には秘密を守りたいという信念が見えた。文の秘密を知るまでは、セックスという行為自体が好きじゃないというのではなく、ほんまに文は大人の女性を愛せないのかと思ってしまった。でもあの優しい文がそれを理由で彼女のことを切り捨てるわけないと思ったから、秘密がなんなのかってことがより気になった。直接的な説明がないから秘密を公開するシーンは最初わからんかったけど、全裸になる時にあまりにも震えてたということは、それが秘密。第二次性徴期がきてないってこと。つまり文は性的欲求がない(症状は各自調べてください)から彼女どころか大人の女性以外にもセックスはできない体。途中、その表情として文の母親が成長しない植物をハズレとしたことはこの比喩やったと。彼女とか世間にその秘密を知られるくらいなら、ロリコンと思われる方がマシという文の考えやったんやな。更紗に対してだけは秘密を公開するほど心を許すことができたと。

「2人だけの誘拐な人生」
また次の作品レビューで、ほなっ。
うみんちゅ

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