うみんちゅ

14歳の栞のうみんちゅのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.5
チャイムから始まる、とある中学の2-6の3学期を密着したドキュメンタリー。エンディングでも使用されたクリープハイプの栞をもっと知ってもらうためにこの映画が作られたらしい。(余談やけど、栞はFM802のキャンペーンであいみょんとかと歌ってるのめっちゃ好きです。)撮影はガッツリ撮る1週間くらい前からやってたらしく、思春期やしスタッフも男女分けての関係構築から始めたとのこと。そーゆー繊細なとこ大事よな。あそこまでのリアルを撮れてるのはほんま凄い。カメラを気にする様子もないし、カメラがあるのが当たり前のようになってるのはえぐい。

14歳の3学期、自分はなにをしてたか。勉強と部活とお笑い見ること。オードリーANNはまだ始まってなかったから、ラジオはガッツリではなかったかな。映画も人並みやった。夢があったかと言われたらなかった。良い高校に行って良い大学に行って良い会社に入る、それくらいの考えやった。もっと自分の興味あることにBETしてたらどうなってたんやろーとは思う。中学は恋愛もしてなかったかなー。友達と遊んでるだけで満足してた。

大人になりたい者、大人になりたくない者、このクラスのままいたい者、このクラスからはやく抜け出したい者、夢を持つ者、夢なんてない者、夢が何かわからない者、目立ちたがりな者、目立ちたくない者、馴染めない者、馴染むことに興味がない者、バレンタインのチョコをあげたい者、ホワイトデーのお返しを選びに行く者、それに付いていく者、恋してる者、恋してるのにそれが恋やと気づいてない者、スポーツに懸命な者、怪我でスポーツができない者、自分以外はゴミやと思ってる者、自分は何もできないと思っている者、自分が他人からどう思われてるか怖い者、自分がクラスを盛り上げたいと思ってる者、家とクラスでは違う自分な者、教室に来れなくなった者、車椅子で授業を受ける者、3月でこの学校から去る者。
いろんな人がいて、いろんな悩みがあって、いろんな関係性があって、いろんな壁がある。たまたまこの2-6が選ばれただけで、この世界にはどこでも。青春という一言で片付けたくない。それぞれの人生で、それぞれの運命で、それぞれの選択。

席替えで机を動かす音、バレンタインチョコを渡しに行く放課後、給食を配ってるお昼休み、通知表を返される日、部活の先生に怒られてる時間、黒板に字を書く日直。
エモいという一言で表してしまいガチやけど、35人と先生にとっては"今"やから。
一つ気になったのは、先生がこの学校からおらんくなることをいつ言うたんやろ。最後にそのシーンあるんかなと思ったけどなかったから。

クリープハイプの栞が流れるエンディングで、修了式終わりに桜散る河岸を歩く2-6の生徒達とこの中学を離れる先生。これから、"新しい街にいっても元気でね"。

「ありがちで退屈などこにでもある続きが
終わってからわかっても遅いのにな」
次の作品レビューでも、何卒。

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https://note.com/umintyu1018
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