うかりシネマ

ARGYLLE/アーガイルのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

作家のエリーは、自身の書く小説『アーガイル』シリーズが架空の物語ではなく現実と符号しており“予言書”となっていることから、本物のスパイにその身を狙われる。エリーを助けたのは現実世界で主人公・アーガイルの“モデル”となっているエイデンだった。

エリーはいかにも英国文学少女然とした見た目で、作家がリアルタイムで閃く「次の展開」が(因果が逆転して)そのまま現実に反映されるというのはヒロインを置き物にしないまま活躍させるためのギミックで、ソフトなタッチも相まって少女向け映画風のロマンスに溢れている。
後半はアクションが派手になり、『キングスマン』クライマックスのような馬鹿馬鹿しいアクションも見せてくれる。

テーマは分かりやすく自己変革と親離れで、シンプルゆえに常に複雑にし続けなければならないプロットを主人公の深化に向けているので、興味を持続させた上で前進していく。
『キングスマン:GC』を予感させる鬱展開はよくも悪くも(前科があるということなので……)展開を読ませない。

続編ありきのラストはかなり残念。ミッドクレジットも続編の示唆に終始して、何かを回収するものではない。せめてポストクレジットで何かしらの説明はあるべきで、続編で稼ぐ現代映画の悪癖が格を落としている。