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ARGYLLE/アーガイルのMASHのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
2.5
またまたマシュー・ヴォーンによるスパイ映画。売れっ子小説家の主人公。彼女の書くスパイ小説の内容が、なぜか実在のスパイ組織の事件と一致しており、彼女は預言者(?)として狙われる、というお話。相変わらず007やミッション・インポッシブルから影響受けまくりなメタ的な内容。『キングスマン』との差別化が気になるとこだが、どうだったか…

個人的にはかなり微妙。まずとにかく長い。いくら脚本に捻りがあろうと、この感じで2時間20分は長すぎる。しかも必要だからというより、クラマックスをいくつも用意した結果間延びしてしまっているタイプ。「これで終わりか」と思ったら、あと3つくらいクライマックスがあるという。あと、メインとなる事件自体がとにかく平凡かつ薄味で、途中で興味が失せてしまった。

また、これはフィクションと現実のギャップをメタフィクション的に楽しむ映画だと思うのだが、そのギャップが中途半端。フィクションの存在であるヘンリー・カヴィルとジョン・シナ。彼らは良い意味で作り物めいた存在感でピッタリ。だが、その比較対象であり主人公であるブライス・ダラス・ハワードとサム・ロックウェルがとにかく中途半端。2人とも普通に見た目もいいし、ガッカリするような性格でもない。そして何より、2人の間になんのケミストリーも感じないのだ。

「アクションが良ければそれで良し」のはずだが、結局『キック・アス』や『キングスマン』の焼き直し。むしろスローモーションやキメキメのカメラワークを多用しすぎて、一つ一つのアクションが弱い。しかもR指定じゃないので、監督の得意な悪趣味さもインパクトもない。スピーディーでキレもあるのに、なんかダラダラしている。

そして一番感じた問題点は「笑い」がないことだ。スパイ映画のパロディのはずだが、特に笑える場面がない。コメディ要素がないわけではないが、明らかにこの手の映画としては不足しているように感じた。ヘンリー・カヴィルの角刈りなんて文字面だけで面白いのに、それも特に笑いにしていない。なぜ??

シリーズ化も視野に入れてたみたいだが、この感じだと難しそう。割と普通に角刈りのヘンリー・カヴィルとアロハシャツのジョン・シナ、この2人のバディモノが観たいかも(笑。マシュー・ヴォーンの作品は好きだが、ここ最近はどうもハマらず。とりあえずスパイものはお腹いっぱいです。
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