肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

そんなの気にしないの肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

そんなの気にしない(2021年製作の映画)
3.1
フランスのLCCのCA(客室乗務員)の主人公の業務とルーティンをモキュメンタリーが如く追うだけの映画がじわりじわりと彼女の転機が訪れるに至って蓋をしていたような瘡蓋と向き合わないといけないドラマティック性を排したパーソナル・ヒューマンドラマ

『非常宣言』を新年に経た身としては、機内トイレのゴミ箱清掃で(ハイ感染、ハイ死んだ)と思わずにはいられないよネ!?(笑)

去年のMyFFF2022で言うところの『ナディア・バタフライ』枠と言いましょうか。かなりドキュメンタリータッチに見え、今年のMyFFF、当たり前ですがハリウッドフィルターなライティング等の映像加工がない"リアル志向"な映画が多いように思えます。
『ナディア〜』の東京オリンピック選手を追うのに比べれば、ウィルステロでも大感染でもおきない飛行機内の仕事を追うだけでいったいなんの意味があろうか?と思っていましたが、モキュメンタリー風だけあってこうゆうのが一番脳死状態で眺めてしまうものですねw

というか、主人公カサンドラ、マッチングアプリ常用の男遊び…ではないものの取っ換え引っ換えも"現代の若者像"にぴったりなのだけど、どうやらそう単純ではなさそうだぞ…?と初期から演出しているし、ボロっと喋ったこれまでの決定的出来事が"これまでの生き方"を左右していた支柱だったのだと終盤になってやっと響いてくる"ジワジワ度"が上手いかも知れませんね。

そこが"リアル"なんですよ。あまり感情を表に出さない"モキュメンタリー(実録風)"だからこそ抽出方法もドラマティックではなく、"滲み出て"いたのだと知れる映画です。
その点があまり日本人感覚と違うかも知れませんが、「女性」への"感情移入"が刺激が強そうな気がします。

この映画は主人公が二十代の若手であっても"新人ではない中堅"級な第一契約が切れそうであったり、日本航空(JAL)ではないピーチやスカイマークなどのLCC(格安航空会社)の客室乗務員というところが"ミソ"なのでしょうね。

主人公のような"今が生きていけるなら"他はなんでもいい、見て見ぬふりの堅実よりも"刹那"的な現代の若者思考とLCCという憧れ一級職業に思える職業CA(客室乗務員)でも"LOW"とランクが落ちるような立場で、その内進路の選択を突きつけられる"契約社員"的立場に近いのだと…
本編内でその航空会社のCA以外の整備士系のストライキ活動で誘いが来ても、我関せず、興味なさげなお断りの態度が"「社会問題」と「自分の価値観」の不一致、危機感の薄さ"などを象徴しているのだと思います。

それでも主人公であるカサンドラは決して軽薄な人間ではなく、愛想はCAという仕事に対して日本人的感覚では欠けてると思うし、アル(コール)中気味でも仕事への向き合い方は誠実だし、プロフェッショナル度も高いのだと思います。
そのアル中気味なのも理由があるし、結局アルコール関連で窮地に立たされる羽目になってしまうのですが…

TVのニュース番組特集で、日本CAでも"コロナ禍"の影響で"副業"を余儀なくされて各自を追うような特集をチラッと見ましたが、本作でもラストはドバイで全員がマスク着用の"完全リアリティ"な映像だったので、全編「コロナ禍のお仕事映画」とした方が興味深さの格も上がっただろうし、"タイムリーな信憑性"もレベルが上がったと思うんですよね、残念ながら…

コロナ禍の就業難で絶妙に感情移入を引き出し、ただ若者としての生き方のわかちこだけではない個人を"縛る死生観"から編み出された説得力のある『決断』だったら、ラストのふいな終わりも得も言えぬ"後(ひく)感"へと導かれたかも知れませんね?😉