NONAME

ブレードランナー ファイナル・カットのNONAMEのレビュー・感想・評価

4.9
あぁ 面倒臭え。この映画について今更説明なんかしたくねぇ。すぐに買って 観りゃいいんだよ。金がないなら 盗むか レンタルでもするか 彼女にどこかの親父と一晩だけ寝てもらえばいい。このヘタレ野郎。数年前からのSF・リヴァイヴァルの真打ちが 昨年の『ブレードランナー 2049』だなんてオチは冗談にもならないし 誠に申し訳ないとも思うけど ドゥニ・ヴィルヌーヴとノーランが束になってかかってきても無理です。勝てません。もう決まってますから。反論しようとしても無駄です。『ブレードランナー』の勝ち。圧倒的勝利。しかも リドリー・スコット 45歳だし。ハリソン・フォード 40歳だし。

そう これこそが 来月正式リリースされる『ブレードランナー 2049』の前身だ。スティーブン・スピルバーグがまだ甘ったるすぎて ジョージ・ルーカスが趣味の悪いミュージカルみたいなSF好きで スタンリー・キューブリックがもはや老けだしていて デヴィッド・クローネンバーグがただの趣味人で ジョン・カーペンターがホラーであることだけで精一杯だった そんな1982年に公開された リドリー・スコット監督による本物の 無敵の 近未来映画だ。クールで ストイックで ノイジーで パンキッシュ それでいて知的 しかも どこまでもハード・ボイルド! 死ぬぞ。

でも 本音を言えば この 未公開映像入りまくりの コレクター向けデラックス・エディションの豪華仕様ではなく シンプルな1本の状態で劇場で観てみたかった。
リドリー・スコットの映画は 特に『エイリアン』と『ブレードランナー』は 何の役割も目的も手段も持ってないくせに タチが悪いくらいスノッブで ファッションと映画と音楽で頭が一杯で 底なしの自信に溢れているくせに それでも説明不能の苦悩を抱えたレプリカントのような すべてのクソガキや映画フリークのための映画だからだ。だから 2000円足らずで手に入って 120分でスカッと終わって どこにでも持ち歩けて ボロボロになるまで観まくって 気がつけば ご機嫌な気分な時も ブルーな気分な時も いつだって 口笛からあのメロディが流れ出してくる 雨の日にポケットの中に手を入れて映画館からに出たくなる。 そんな風に 我々の日常にしっかりと繋がれていなければならない。そう リドリー・スコット監督の奇跡のような映画『ブレードランナー』。映画で育つ青春って こういうことじゃん。生きるって これじゃんよ。「完全版」だか「最終版」だか「うどん」だか「親子丼」だか 知ったことじゃねぇよ。ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ。もっと楽しんでみろよ。俺は自由だ。馬鹿。
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