翼

LAMB/ラムの翼のレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.6
長回しのアイスランドの荒涼とした冷えた空気感と白夜。
畜産の放牧と飼育を繰り返す毎日と娘を喪った口数の少ない夫婦。ただでさえ頭おかしくなりかねない閉ざされた状況に舞い込んだ奇異を「幸せ」として受け入れる奇異と、次第に馴染んでいく更なる奇異。
前半の生活カットが冗長であればあるほど、その平常を破壊する要素に期待が高まる。異常を異常と捉えられないレベルへ極まりつつある状況に訪れる極め付きの奇異は、むしろ破壊力に欠けていたんじゃないかと感じるほど私のスタジオA24への期待値は膨らんでしまっていたことが敗因と言えば敗因。
翼