かすとり体力

THE FIRST SLAM DUNKのかすとり体力のレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
4.2
すんごい評判が良かったので、レンタル開始後すぐに鑑賞したが、大納得。

最高。

私、かなり色々なことに興味があるタイプではあるが、昔から「スポーツ」まわりにだけはどうしても興味が湧かない。
なのでスポーツ観戦もしないし、スポーツ系のコンテンツも観ない。

これ、食わず嫌いではなく、人生に損してる気がして色々と頑張ってみたものの、どうしても興味が持続しなかったというもの。

そんな私であるが、「さすがにスラムダンクは読んどかないとな」と思って10年以上前の学生時代にネカフェで単行本を読み、これには大感動した覚えがある。

ま、逆に言うとそれ以来作品を読んでいないので、私の記憶の中のスラムダンクは朧気な存在となっていた。

っていうステータスでの鑑賞。
でもほんと存分に楽しめたので、原作未読の方でも全然楽しめる作品であることは間違いない。

さて、「本作の何が良かったんだろう」と言語化しようとしてもなかなかに難しい。

良く言われている作画の凄さやバスケ描写のリアルさ、ヒューマンドラマパートの厚みなどは「まじでそれ」なんだけど、そんな風に言語で掴み取ろうとすると、掴んだ瞬間に、本作からもらった感動や興奮が指の隙間から零れ落ちていくような気がする。
(そういう意味で、最近では『RRR』鑑賞直後の感傷に近い)

最も今の心証に近い言語化は、鑑賞した結果「スポーツって素晴らしいな!」「バスケって最高だな!」と思った、というアホみたいなことになっちゃう。

このレビューを書き始めた当初は、「スポーツをリアルに描くのであれば、本物のスポーツを観たら良いのでは?」という主張に対し、
「禅」の概念等を引用しつつロジカルに反論したいと思っていたが、もはやそれすら野暮な気がしてやる気失せちゃった。

一つだけ言うと、敗れた山王工業側の描き方、めちゃくちゃ良かったな。ただ試合上の敵として記号的に処理することをせず、負けには負けの意味があるし、敗者には敗者のこれからがあるというメッセージ。
誰一人取り残してねぇ。SDGs。

とにかく。

誰が見ても超絶熱い気持ちになること必至の大傑作です。
かすとり体力

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