瓶底

アステロイド・シティの瓶底のレビュー・感想・評価

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)
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劇中劇の更に語り手がいて、重なったレイヤーを俯瞰で見た時の滑稽さを味わえた。
ウェス監督の演劇愛と映像愛を独特の世界観でたっぷり見られる。横スクロールの魅せ方は前作から完全に監督独自の技となっていて、今作は更にグレードアップしていると感じた。
ウェス作品お馴染みの俳優が登場した時は嬉しくなって指笛を吹きたくなる……!(エイドリアン・ブロディ!)

と、ついつい映像に注目してしまうが、内容も楽しさいっぱい。(哀しさも)
エイリアンに捧ぐ歌や、役者たちの"You can't wake up If you don't fall asleep"のリフレイン、カットになった妻役のセリフ。印象に残るシーンばかり。

メタファー的な場面も多くあり、分かりやすく感情が揺さぶられることは無いが、寧ろそれでいい気がする。オーギーのように迷ったり分からなくなったりして不安に駆られてこそ、人間っぽい気がする。
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