24人の若者を拷問し、殺害した殺人犯。
彼はそのうちの1件は自分によるものではないと主張。
そんな連続殺人犯・ハイムラから届いた手紙をきっかけに、大学生の雅也は事件の真相を知るために奔走する。
関わった人みんなに好かれるという殺人犯・ハイムラという人物の存在感がこの映画の99%をしめている。
彼の発言や行動ひとつひとつが事件の真相をチラつかせ、そして彼と言う人物の不思議な魅力を醸し出し、観ている人全員が彼に吸い込まれそうになる瞬間があっただろう。
それは彼自身の中に、罪を犯す中にも強い拘りや美学があり、それを極端に守りきるところにも魅力を感じてしまうからだったのではないかと思う。
だからこの映画は前半めっちゃおもしろいが、失速してしまうという感想になってしまう。
ひとつ大きなトリックを入れるために、軸が折れてしまったような印象が残るのが残念。
そしてラストをまるで邦画のホラー映画のように締めくくってしまったのが不満。
あくまでもそれは脚本。
相変わらず、そんな難しい人物を見事に演じた阿部サダヲは驚異的。
それだけでも見る価値は十分にあると思う。