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マイ・フレンド・フォーエバーのharuのレビュー・感想・評価

4.6
マイ・フレンド・フォーエバー

1995年 / アメリカ

開始数分で気づく
『この映画を観たらきっと泣く』


出産時の輸血によりHIVに感染してしまった少年デクスターと、その裏に住むネグレクトを受けている少年エリック。
彼らはニューオリンズでHIVの特効薬が開発されたというニュースを目にし、
2人だけで手作りのイカダに乗り、遠く離れたニューオリンズを目指した。


ロードムービーは結構好きなほうだ。
目的地に近づいていくに連れて、
ただの場所の移動だけでなく、
その映画の主となるテーマもゴールへ近づいていく、
あの感じが好きだ。

少年や青年が主人公であればそれは成長であったり、
老人が主人公であればそれは自らの人生の価値を確認することだったりする。

この作品も一部ロードムービー的な要素があり、その場面で表されるテーマは間違いなく「主人公2人の友情」。
類に漏れず、その旅を通して彼らは友情をむちゃくちゃ育む。その様子は非常に微笑ましくもあり、感動的でもある。
しかしながらその一方で見えてくる、デクスターの病気の悪化に別のゴールを意識させられるのが苦しい。

おそらくこの映画のラストは、
観た人みんなが、
もしくは観る前からみんなが想像しているような結末に向かっていく。

それでも涙が溢れてしまう。
彼らの友情の深さ、
そしてデクスターの母がデクスターを思う気持ちと、病気のせいでずっとひとりぼっちだった息子を愛してくれた彼の親友エリックへの強い気持ちが、
観る人みんなの心に突き刺さる。

伏線の回収も見事。
一度は観るべき素晴らしい作品だった。
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