回想シーンでご飯3杯いける

死刑にいたる病の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.6
「孤狼の血」辺りから顕著なんだけど、最近の白石和彌監督作品は、韓国映画の影響を強く感じさせる。エンタメ性を意識したバイオレンス(作品によってはアクション)、警察が絶対的な正義ではない、司法の話が必ず入る、台詞だけじゃなく、画や動きでストーリーを伝える等。

国内の目線だけではなく、海外の映画と並べても遜色ない映画を作り出す近年の彼は、邦画界に於いてとても刺激的な存在になっていると思う。

しかも、日本映画らしく役者の演技力にもしっかりスポットを当てていて、今作で言えば、阿部サダヲはもちろん、岡田健史の演技も大きな見どころになっている。

題材はサイコパスの犯罪者とマインド・コントロールで、表情や台詞をじっくり楽しめる映画になっている。ただ、終盤の展開がやや分かりにくく、妙に端折ったように見えたのは何故なのだろう?(同じように仰っているレビューも多い) そこが非常に惜しいと感じる。