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ラーゲリより愛を込めてのtamaのレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
2.5
昨年有料ネット配信で観た野田秀樹の『Q』という演劇でシベリア収容所と思わしき場所の描写がとても印象的だった。最小限の舞台装置や小物と役者の圧倒的な芝居力で、どれだけ悲惨で過酷でどんな思いがあってというのがすごくて、この収容所のことが気になって本作を鑑賞。黒パンの描写も帰れなくなった者が想い人へのラブレターを帰れる者が丸暗記してその恋人へと運ぶという描写もあり、この同じような描写の部分が実際にあったことなんだろうなとか色々思いながら観てしまった。記憶で運ぶ手紙がまさかの創作部分じゃなかったことに驚いた。
細かい風景やセリフ量の多さによる人物像は映画の方がもちろん盛り込めるのだけど、野田地図の芝居が凄かったせいか、悲惨さや虚しさや過酷さは野田地図の方がインパクトあった。なので、あの舞台の補足的な感じで観ているなぁという気分からは出られず。だけどラーゲリという場所がどういう流れでできたのか、どんな人間がそこに入れられてしまったのか、戦争による不条理な理由づけ、そのあたりは知れて良かった。
しかし二宮和也は上手いなぁ。周りの役者たちも良かった。
また『Q』を観たい。
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