やっと見れたよーーー、見てよかった。
「岬の兄妹」はかなり荒っぽかったけど、勢いある監督だと感じたから、2時間持ち堪えられるものにグレードアップしてたことによっしゃよっしゃとなりました。
思ってたんと全然違う！！っていう構成も見事でした。騙される快感って映画を見る醍醐味なので。
でも低評価の人の気持ちもめちゃくちゃわかる、やっぱりまだまだプロットホールが多くて、サスペンスとしてはご都合主義だなあと思う。
あと、やっぱりかつて娘だった立場からも、現役子育て中の立場からも、あんなに自分のことしか考えてない父親(それが妻の介護から来るものだとしてもよ)、ふざけろってなる。だって妻の闘病を前にしたら自分の存在は無力だったのか、私と一緒に痛みを共有してくれなかったのか、どうして自己完結したんだって娘は思っちゃうよ、そりゃ病みアカウントとか作っちゃうよ、釣りだとしてもね。
でも本当に伊藤蒼ちゃんの演技は素晴らしかった、新今宮の商店街を疾走する冒頭から「絶対引かれないで！！」と祈ったし、スーパーに入店するや否や「絶対万引きしないで！！」に変わったし、スーパーのスタッフのジャンパー、もしかして「空白」と同じなの！？スタップジャンパーって緑色が相場なの？？なんか一括で納品してる業者があんのか？？
蒼ちゃんが機能不全家族請負少女みたいになってほしくない…けと次回作「恋は光」って振れ幅デカすぎんでしょ！！！
(いやここでも父親に恵まれない少女役かもしれんが)
弁当箱持ちながら告白しちゃう男子、「星の子」のなべちゃんぽくてよかったなー、初めての演技らしいけど、あのシーンめっちゃ好きだった。
関西弁警察なので色々気になってしまうんだけど、とにもかくにも、担任の先生とかからの「はらださん」はせめて「は↑ら↑だ↑さん」にしてほしかったよ、絶対関西人は「は↓ら↓だ↓さん」にならないので。あんなハイヒールリンゴとモモコ足して2で割ったみたいな造形で「は↑ら↑だ↑さん」じゃないん興醒めやで〜ってあの女優さん、是枝&西川作品常連だけど全然気づかなかった、しかも年下…
全体的なカリカチュアという意味では無理解な区の職員、福祉局とか西成区ヘイトにならんのかというのも気になった。
多分やまゆり園もインスパイア元なのかなと思うんだけど、ガチで参照されてる吉田修一先生の「湖の上の女たち」は来年あたりに映画化されんじゃないかなと期待しています。
