このレビューはネタバレを含みます
オンライン試写会で鑑賞させて頂きました。
ありがとうございます。
普段あまり観ていないフランス映画でしたが、美しく繊細な絵画の様で引き込まれました。
19世紀前半のパリ。詩人志望の青年リュシアン(バンジャマン・ヴォワザン)が新聞記者をしながら、欲望の渦に巻き込まれていくストーリー。
フランスの文豪バルザック、『幻滅̶̶メディア戦記』の映画化。2022年セザール賞(フランスのアカデミー賞に該当)で7部門受賞。
青年は見るからに文学青年という、華奢で美形。貴族の奥様と仲良くなってパリに来たものの、若い女優と恋仲に。。
ジェラール・ドパルデューが新聞界の大物役で出演。貫禄がありました。
当時の新聞業界の裏側、ステルスマーケティングの様な事が出てきます。
記事によってお芝居の評判を操作したり。
昔から道具はかなり進化してるのに、人々の考えてる事は変わりがないのでしょうか。
社交界のパーティーでは、綺麗なドレスが沢山出てきて目の保養。お城の様なインテリアも。そんな美しいフランス社交界、人々の考えてる事は嘘やお金の事ばかり。新聞は売上や政治の利権優先。情報操作されている当時の新聞の酷い一面を見ました。
人々に幻想を抱かせる詩人を志し、才能もありパリへ来たものの、現実には読者の望む情報を書く、言葉の商人(記者)の世界でもがく青年。
ラストシーンがとても美しく、タイトルが胸に沁みました。
映画館で観たら、その美しいフランスの世界に浸れそうです。