ベルファストのnt708のネタバレレビュー・内容・結末

こういう映画を好きになるとは、自分も少しは大人になったのだと感じる。派手なアクションがあるわけでもなければ、わかりやすい物語のカタルシスがあるわけでもない。それでも自ら本作の良いところを見つけ、感動する。観客に感動の押し付けるのではなく、観客自ら感動を生み出す仕掛けのある作品として本作は実に素晴らしい。

語るべき点は多くあるが、一番気に入ったのは『真昼の決闘』のオマージュが随所に見られたこと。状況が完全に一致しているかどうかはわからないが、当時のベルファストも『真昼の決闘』で描かれた街と似たような状況だったのだろう。味方がいない状況ながら、街を去る結末も似ている（正確にはニュアンスが全く異なるのだが）。

いずれにしてもこういう日常の中の非日常を描いた作品がここ最近はずっと好みである。アカデミー賞で脚本賞をとったのも納得の出来栄えだった。