さよなら僕のマクガフィンたち

ベルファストのさよなら僕のマクガフィンたちのネタバレレビュー・内容・結末

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

明日に向かって笑え!
行きなさい。過去を振り返ってはいけない。

カラーから白黒になり、ある街の日常が映し出させれる。音楽はヴァンモリソン。剣と盾を持って走るバディにドラゴン倒したとか夕飯のことなどをネタにからかう街の人々。そこに突然暴徒がやってくる。カトリックを許すな。子供を家の中に入れろ!

街は変わる。バリケードが貼られる。プロテスタントのバディの家には、暴動に参加するよう脅迫する輩が訪れる。

『ジョジョ・ラヴィット』のように子供の視点から描いた戦争ものであり、故郷の街を旅立つ物語である。コメディテイストで描かれたところが秀逸である。

お爺さんとお婆さんとのやりとりもほのぼのする。
ロンドンに行くことに不安を抱いているバディに対し、「お婆さんと同じ言葉を話してもいまだ何を考えているかわからない。でもわかろうとすることが大事。」
奇しくも不安定になった今の情勢を考えるとこれほどまでに胸打つ台詞もない。

万引きのシーンも大好きで、洗剤を盗むというエピソード自体も好きだし、暴徒に荒らされているお店に母親が戻しに行くのも良い。

これを機に北アイルランドについて学び直すのもいいと思う。パンフレットは一助になった。
でも詳しく知らなくても全く問題ない。
バディだってよくわかっていないのだから。彼の目線で語る話はより本質的なもの。