めちゃくちゃ映画。映像作品とはこういうもんだろっていう感じ。
内戦を背景にしつつ、あくまで家族の話であり、パパもママも、バアバもジイジも、子どもたちもみんな本当に良かった。
ママ役のカトリーナ・バルフさん演技も良いし美しくて素敵だなとおもったら、フォードvsフェラーリのクリスチャン・ベイルの奥さん役だった人か!この人はあの役でも輝いていた。「今度うちの子をしょうもないことに巻き込んだらアンタぶちのめすぞ」って啖呵切るシーン良かった。
ジイジも良かったなあ。孫の友だちみたいに対等に話を聞いてくれてたジイジ。「おれはどこにも行かないよ」と言ってすぐに行ってしまう。この切れ味。いやでも彼はベルファストの土の中でどこにも行かずに眠り続けるんだよね。
そして、バアバ。あのラストショット。切なかった。「私のことは良いから、お行きなさい」と後の世代の背中を押したけれど、ジイジもいなくなって、そりゃ寂しいよな。このあとの人生を彼女はどう生きて行くんだろうか。そんなことを思わせるあのすりガラス越しのカット素晴らしかった。
とにかく撮影が素晴らしかった。常に画面内で2つか3つの物事が同時進行しているカットばかりで、モノクロだからというだけでなく、古き良き映画を見ているような心地よさがあった。ただ変にノイズフィルターを使っていないので、時代感みたいなのはあまり感じなかった。普通に2021年に見えちゃったな。
子ども目線の映画という意味で、同じく子ども目線の「ジョジョラビット」を思い出したけど、個人的にはこっちのが好きかも。「ジョジョラビ」は劇場で寝ちゃったからアレだけど。。
しかし、北アイルランド英語はびっくりするほど聞き取れなかったな。久々に字幕全読み映画。