とても優雅な作品。
名家の後継ぎポール(ジョシュ・オコナー)と秘密の関係を続ける天涯孤独のメイド、ジェーン(オデッサ・ヤング)。
どのシーンにも贅沢な余白がたっぷりとあり、彼女が味わうときめき、高揚感、情事の後のまどろみ…そして突然の悲しみといった感情を、観客も一緒に味わうことができるように感じた。
タイトルの「帰らない日曜日」は、鑑賞中と鑑賞後で全然意味が違うものになる 。これにはゾクゾクしてしまった。
オコナー君は「クラウン」で演じたチャールズ皇太子に続いて、上流階級のキャラクター。名家のこじらせ男子を演じさせたらハズレなし。今回もオデッサ・ヤングよりも肌の露出多めで、唯一生き残った三男坊という複雑な役どころを繊細かつチャーミングに演じている。
そして、一瞬で存在感を増すオリヴィア・コールマンとコリン・ファースは、さすがの一言に尽きる。