こたつむり

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのこたつむりのレビュー・感想・評価

4.0
♪ 今日も元気に マリオが走る 走る
 ピーチ姫を 助けに行くぜ 行くぜ

なるほど。賛否両論も分かりますね。
本作は“観るゲーム”。普通の映画とはスタンスが違うのです。

そもそもテレビゲームは能動的なジャンル。
映画とは違い、自分で考えて操作して、を繰り返すことが基本。それを受け身で楽しむには想像力を駆使するか、親切丁寧なナビゲートが必要になります。

例えば、ゲーム実況は後者の顕著な例。
実況者が状況を説明したり、感情を共有してくれるので、自分が操作しなくても良いのです。

でも、本作は映画。
ナビゲートには期待できません。だから、自分で操作する気持ちが肝要なんですね。

この辺りは子供たちの方が柔軟だと思います。
同じ列で観ていた女の子は、クッパが襲ってくる場面で「怖い怖い怖い」と口にしていました。ピュアな視点って気持ちが良いですね。

また、ファミコン世代ならば。
色々なゲームから引用しているのが“フック”になると思います。しかも、マニアックな部分も押さえているんですよね。『60秒チャレンジ!ルイージを救え!!』を模した場面は思わずニヤリとしちゃいました。

あと、端々に感じるリスペクトも嬉しい話。
個人的に一番嬉しかったのはスタッフクレジット。何せ、あの岩田元社長の名前も出てくるんですよ。任天堂(宮本さん)の気持ちが伝わってきた一瞬です。

まあ、そんなわけで。
ゲーム好き(orマリオ好き)ならば押さえておくべき作品。『スーパーマリオ』はゲームを別次元に押し上げた存在。本作も革命を起こすかどうか…は分かりませんが、少なくともゲームを映画化する際のお手本になるのは確実です。

ただ、欲を言うならば。
これをアメリカではなく日本で作ってほしかったですね。画面の端にチラリと映るゲーム機がNESなのは寂しいですよ。やっぱり、日本人ならば白と小豆色の機体であってほしいところ。

それに序盤の展開もアメリカナイズ。
確かにマリオたちは配管工ですが、それを忠実に取り入れてしまうと…色々と抵抗を感じてしまうのも事実。少なくとも、マリオのお父さんやお母さんは知りたくなかったな、というのが本音でした。

それにしても続編は…あるのかな?

でっていう!
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