あっきー

ヒットマンズ・レクイエムのあっきーのレビュー・感想・評価

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)
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マーティン・マクドナー監督、『スリー・ビルボード』の前にもこんな素晴らしい映画を撮っていたのか…。

コリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン、そしてレイフ・ファインズの活かし方が抜群に上手い。3人とも出演作の中でも最高レベルのパフォーマンス。
もちろん最初の2人に関しては昨年の『イニシェリン島の精霊』も名コンビだった。とにかくコメディと悲哀の絶妙なバランスが良くて、他の映画やドラマではならない不思議な気持ちにさせてくれる。

そしてキャラクター作りも含めた脚本の巧さ。前半でのいろんな描写やセリフを、クライマックスに向けて細かな事までしっかり回収していくのが見事。
登場人物も多くないし、実は地味なストーリー展開なんだけど、序盤から物語に引き込む力強さ。台詞や人物描写だけでも本当に目が離せなくて、かなりレベルの高い作品だと思う。
撮影も、ベルギーの街の景色の引き画と、窮屈めな人物のクローズアップの対比が印象に残った。音楽による世界観の形成もよくできてる。

丁寧に練られた、技ありの一本。個人的にものすごく大好きな映画になった。

この映画を観たら、最近のコリン・ファレルがいろんな監督から引っ張りだこなのも納得。
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