幽斎

リリー・グレイス 魔女に囚われた男の幽斎のレビュー・感想・評価

2.0
令和4年1月某日。京都で活動する映画ブロガーと、ミニシアター6館の支援者(京都シネマ、京都みなみ会館、出町座、アップリンク京都、福知山シネマ、舞鶴八千代館)が一堂に会して新年会を開催。場所はソーシャルを保てるザ・プリンス 京都宝ヶ池。私はFilmarks移行後ブログは停止してますが、ミステリー代表として参加。

プリンスと言えば中国料理 桃園。京鴨春巻き、京都ぽーく炒飯、京肉XO醤炒めなど、中華と京都のコラボが秀逸。観光客の方は京都と言えば和食に偏りがちですが、京都人なら中華が一押し。餃子の王将や天下一品は京都が発祥の地、来来亭も京都の街ラーメンのコピー。何の話でしたったけ?、あぁ映画の話でしたね。私の2021年ベスト「マリグナント 狂暴な悪夢」ワースト「殺人鬼ジョン・ドウ」ですが、毎回ホラー担当の某氏のセレクションは傾聴に値する。今回は2021年を代表するクソ映画を御紹介。

原題「Lily Grace: A Witch Story」2015年製作と古いが、ホラーなのにNot Ratedで、如何にもアングラ臭が漂うが、アメリカのレビューも「Waste of time!」弾幕の嵐。子供の頃から推理小説を嗜む身としては、私の辞書には「難解」と言うワードは無いが、本作は一言で言えば「意味不明」。ディフィカルトはスリラーでは褒め言葉だが、本作の場合は訳ワカランの三重奏。目的も脚本も監督も全て意味不明。確かにコレはアカン奴。

ホラーの某氏曰くクソとZ級は別モノ、ダメでも愛すべき点が有るのがZ級。私の脳内では「最低の映画監督」Ed Wood死霊の盆踊りがソレと言う解釈だが、本作の様に真っ当なホラーを装う方が、観客の逆噴射を誘発するので始末が悪い。ホラーなのにジャズとか、カメラワークが致命的にダメとか、最期までノー・クルーのオンパレード。

監督こそWes Millerだが、製作して脚本も書いて編集もして、ジェイク役で出演してるJames Palmer持ち込み企画。自腹で自滅するのはご愁傷さまだが、リリースが悪名高き「Midnight Releasing」アマブラ御用達のクソ映画専門会社。日本の配給会社が6年間ガン無視を決め込んだクソを、配信に紛れ込ますAmazonも終わってるが、クソなら糞らしく下流に流すべき、決して上流の人の目に晒してはイケない。

ルイジアナ州がブードゥー教が盛んな地域と言うのは本当だが、撮影されたのは南国フロリダ。何が「訳ワカラン」かはご覧頂くとして(説明するだけで疲れる(笑)、腹が立つのは、スリラーの如く「どんでん返し」が有る事。ご丁寧に伏線回収もアシストしてくれるが、自動魔女炙りシステムで誘い出す前に、お湯を沸かしてコーヒーを淹れてたぐらい、退屈極まりない。ホラーの某氏が「オチが酷い」と言ってたが、その通り。これは愛すべきZ級ではなく、クソ映画の世界遺産確定だろう。

触るな危険!年一級の悶絶クソ映画。映画を作る事は大変だと貴方も実感するだろう。
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