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ヘル・レイザーのSSDDのレビュー・感想・評価

ヘル・レイザー(2022年製作の映画)
3.9
◼︎概要
麻薬依存症の女性は弟に協力を受けながら薬物を経っていたが、薬物依存の会で出会った男性との関係を持っていることを責められていた。
弟の予感通り、男から倉庫に忍び込み貴重品を奪うのを持ちかけられ乗ってしまう女性。しかし手に入ったのは謎のパズルのような奇妙なオブジェクトだった。そのオブジェクトは異世界の"何か"を呼び出す装置だった…。

◼︎感想(ネタバレなし)
映画好きなら誰しも"白い顔に縦横に線が入り釘が刺さった黒衣の男"でピンヘッドと言われればイメージができるであろう、ヘルレイザー。
最近作者が亡くなったことで最新作は別の方が描いたものが出版されたダークファンタジー漫画のベルセルクにも大きな影響を与えた作品である。

続編は大量に出ているが、一作目のリブートとなっている。

そのジャケット通り、独特な世界観となっており、"ハルマシャンの箱"と呼ばれるパズルボックスを介した異世界の話になる。
かなり過激なゴア表現と独特の異世界の世界観が展開されるため、観る人を選ぶ作品だが根強いファンも多い。

リブート版は様々な変更があるが、一作目のファンにも納得の展開であり、ゴアも健在。VFXによる映像で一新された表現は素晴らしい。
テンポも良くホラーとしての緊張感を保ちつつ、どのような展開になるのか先の読めない展開を楽しめた。

しかし少し説明不足感も否めないが、理解も苦しむものではないため私としては大満足。リメイク前を知らなくても本作から観ても十分にその世界観を浸れるため、おすすめです。











◼︎感想(ネタバレあり)
・セノバイトと呼ばれる魔導士達
召喚シーンの壁や道が割れて、暗い石畳の無限回廊からスタスタと歩いて現れるシーンは一新された映像美で出現するたびに楽しめた。
今回は黒衣は纏わず、人体を魚の開きのように施され白い肌のままという新しいデザインも取り込みながらのクリーチャーデザインが悪くない。
まさかハマルシャンの箱で刺すと生贄の対象にもできるという点は、新しい解釈で痺れた。
相変わらず理不尽で、苦痛を楽しめる最高のマゾでなければなれない境地の方々。
決して走らないのは、痛すぎて走れないのか、構造変えられる過ぎて走るに走れないのかは不明。
決して慌てず走らず、獲物を追いかけるというスタイルが不気味でいい。

・ヴォイトの屋敷
屋敷に巡らされた鉄格子と室内の鉄格子は特別性でセノバイトには魔除けのようで、破壊したり囲まれた中には直接出現できないということのようだ。
序盤で既に中の格子は作られていたが、建物を囲む格子は、ヴォイトの神経巻取り機を付けられた後に造られたということだろう。

・望み
主人公の望みが叶えられて死なない苦痛にまみれた弟が帰ってくることを期待していた分、拍子抜けでしたが…。
"何もいらない"ということに"お前は後悔するのを選択した"というセノバイトの「えっ?意外…どうしようかな」みたいな間の後のこじつけ感のあるそれなりのこと言って帰るの好きでした。

ヴォイトには神経巻取り機以外でお願いします!って言われてお前は伸び代があるなってセノバイトに転生させられるとか、本当お茶目ですね魔導士様。

基本的によく考えたら言葉は通じても、見た目通り常識が通じる相手な訳はないな。ちょっと趣向を凝らしてくるけどセンスが思ってたんと違う感じで叶えてくれて、しかもクーリングオフは拒否。
うーん、優しい部類の怪異だとは思いますが、初見には厳しいかもなぁ。

・総評
リブートととして死霊のはらわたに続く良作。本作もさらに続編が出て欲しいものです。
新たにセノバイトになったヴォイト君の活躍も観たいし、パズルが6段階という新しい要素もありますし捻ったストーリーがまたあるのを期待してしまうほど楽しかった。
神の降臨シーンや召喚シーンも絶望的で良かったし、神経巻取り機のセンスも素晴らしかっなぁ。
とりあえず怪しげなパズルボックスを見つけても無闇に触るのはやめときましょう。
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