超良い!
ブレードランナーから新作は毎回IMAX初日で観に行くも世間の評判とは相反してガッカリして帰ることが定番となってしまった自分にとってのドゥニ・ヴィルヌーヴ
『メッセージ』では原作の超個人的な目方の変化の物語がハリウッドナイズの世界を救う物語になってしまったことに失望し『ブレードランナー2049』では1でロイバッティの語り一つで示したものを3時間かけて語り直すことの無意味さに退屈しきってしまったのだが、本作は本当に良い!
序盤の物語の進まなさ加減に「前作みたいなことになるんじゃないか?」と戦々恐々しながら観ていたのだけれど、そのスローテンポが後半からは怒涛の展開!編集ミスってるんじゃないかってぐらいサクサク進む!こういうのでいいんだよ!
って冗談は置いておいて『ボーダーライン』や『プリズナーズ』に通底するところにやっぱりドゥニ・ヴィルヌーヴの作家性があったんだと確信
正しくない主人公の物語を一応はヒロイックなエンタメとして描くんだけれども、そこにある違和感も並行して描いていく、これがうまい!
ポールの行動にはどうしてもイスラエルという国を重ねてしまうし、この映画も『ボーダーライン』と同じように男ではなく、ゼンデイヤ、チャニの物語になっていくことにもの凄く好感を持った
こんな壮大な物語をTVドラマではなく、映画として観ることができる時代に感謝したくなる、堂々とした傑作大作!