クリンクル

プリシラのクリンクルのレビュー・感想・評価

プリシラ(2023年製作の映画)
2.0
このタイプの映画を酷評するのは気が引けるのだけれどほんと申し訳ない、クッソつまらなかったです...

『マリーアントワネット』で人間としての王妃を、『ビガイルド』で『白い肌の異常な夜』を女性視点で描いたソフィア・コッポラがプリシラ・プレスリーを撮ったらそりゃあこうなるよね、と
観る前に予想していたものから全く逸脱しないことがこんな退屈な映画鑑賞になるとは…

観る前にネタバレを喰らっても、ずっと同じことを撮ってるポール・シュレイダー作品を観てもここまでの事はないので純粋に映画としての力が欠けているのだと思う

映画的魅力を言語化するのは不可能かな?好みの問題でしかないのかな?とも思うけれど、この映画の思い出としての8㎜フィルムのシーンと『レイジングブル』のカラーシーンを見比べてみてほしい
tiktokerのオシャレフィルターなのかな?というレベル(TikTokはやっていないのでそんなものがあるかは知らない)

落ち着いた映画だから!と言えるかも知れないが、もっと根源的なものが欠損している下手な映画としか思えない

シナリオ面で見てもグルーミングのシーンはやたらと時間をかけて描写するのにプリシラが外の世界に自分を見つける部分はごく僅か、それも一人旅ドライブと空手がソレって…もはや映画を諦めてる感すら覚える

ソレこそがこの映画の魅力と言うなら最早何も言葉はない
ソフィア・コッポラは新視点を与えてくれる映画監督だと思っていたが、その視点で見ることが標準化された現代では全くの無価値の人になってしまったのかも知れない