映画を観ているとき(新作を観る時は特に)〜のオマージュだとか、〜は〜の手法だとか、もしかして自分が観ているのは過去作られたモノに近づくために行われている無意味な反復過ぎず、かつて以上の感動を映画から味わうことは今後ないのかも知らないと思っていました。
しかし、この映画にはかつての映画に感じた全てのモノがあった。傑作、大傑作です。人生ベストの一本。
抑えた演出の映画。と言ってしまうと何とも技巧的な小賢しい響きがありますが、それを一切感じないのは実人生の延長でカメラを回しているような気がしてしならないからです。
それは大きな喜びではないのかも知れないけれど「この瞬間のために自分は生きている」と感じざるを得ない時を捉えた至極の83分です。
多くの人に観てほしい。