茶一郎

ザ・キラーの茶一郎のレビュー・感想・評価

ザ・キラー(2023年製作の映画)
4.4
 中毒性凄まじい。ネオ・ノワールともコメディとも観れる「殺し屋お仕事ムービー」の本作は、必然的に監督デヴィッド・フィンチャーによる「お仕事ムービー」としても観れてしまう。
 殺し=アクションより待機時間に重心が置かれ、奇妙な事にスマートフォンを踏みつける=ペンを捨てる=「証拠隠滅」のアクションが全編、韻を踏むように反復される、これが中毒性の要因の一つだと思った。
 『セブン』のジョン・ドーが「作品作り」として殺人を行ったように、本作の主人公も「作品作り」を繰り返す。時に『エイリアン3』のように(監督自身言うように)失敗しても、クライアント(映画スタジオ、Netflix)と生かす殺さずの緊張感のある関係性を持ち続けるフィンチャーのお仕事術。痙攣を隠してバカンスしている場合ではない。早く「マインドハンター」シーズン3を……

 podcastで話しました https://youtu.be/w_APCsqpIVI
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