九月

デューン 砂の惑星PART2の九月のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
5.0
待ち切れず先行上映で鑑賞、その後またIMAXで観たがもうすでに再びあの世界へ飛び込みたくなっている。

前作の厳かな物語の運びも好きだったが、今作は全編に渡り圧倒されっぱなしで、見終わったあともしばらく息が整うまで時間がかかるくらいだった。
砂の世界での生を肌で感じるようで、後から思えば一体どうやって撮影しているのかというシーンばかりだったけれど、観ている最中には実在する世界のように思えてならなかった。
特にサンドワームライドの瞬間は涙が出るほどかっこいい。

一作目に興奮し、一年以上かけて少しずつ読んだフランク・ハーバートの原作小説の壮大な世界がそのまま目の前に広がる感覚があり、映画ではさらに登場人物全員の目線がクリアに描かれていて見応えがあった。スティルガーを始めとする「リサーン・アル=ガイブ!」と心酔する人たちの縋りたい気持ちも分かる上、初めはスパイ扱いされていたポールが立場を確立していくところには胸が熱くなる一方で、チャニの目線があるのが良かった。
最後まで見守り、ひとつの旅が終わった疲労感とどこか寂しい気持ちが残る。また、終わりは始まりに過ぎないということを思い知る。

過去も現在も未来もさして変わらない人類の普遍的な本質を、遥か先の砂の世界に見た。
いくら言葉を尽くしても足りないほど素晴らしい、この上ない最高の映画体験だった。
九月

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