cyphさんの映画レビュー・感想・評価

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ロケーション(1984年製作の映画)

4.0

森崎東を教えてくれた友人が繰り返し薦めてくれてた映画、DVD買うしかないかと思ってたので神保町シアターありがとう!映画自体をほんとうに久しぶりに観たので映画って、映画ってなんだっけ??と脱臼と骨折を繰>>続きを読む

オルエットの方へ 4Kレストア版(1971年製作の映画)

4.7

なんのかんのでぜんぜん映画館行けてないけどこれさえスクリーンで観れたらわたしの夏は成仏します、と思って眠い目を擦りながら夜の回を観に行った 生後4ヶ月を迎えた子は教科書通りに睡眠退行に突入し寝不足の日>>続きを読む

アルカトラズからの脱出(1979年製作の映画)

4.0

ざくざくドライな脱獄モノってだけで点甘くなっちゃう 実はこの人たちは無罪なんだ、情状酌量の余地があるんだ、みたいな語りを一切挟まず脱獄のプロフェッショナルたちが細い細い糸を手繰り寄せるみたいな脱獄計画>>続きを読む

ダーティハリー(1971年製作の映画)

3.7

素直に格好よかった ハリー・キャラハンというキャラクターがイーストウッドという男がただただ格好いい、良くも悪くもそれだけの映画 70年代のサンフランシスコという街自体が突き抜けた明るさと病とが共存して>>続きを読む

パディントン 消えた黄金郷の秘密(2024年製作の映画)

3.9

ペルーの青空を抜けてパディントン駅が映るだけで泣いてしまうのでガバガバ判定で楽しんだ ミニバスで寝こけたパディントンが匂いで目を覚まして窓の外を覗くとそこには美しい故郷の眺め→号泣 ジャングル大冒険あ>>続きを読む

ウエスタン(1968年製作の映画)

3.7

ワンスアポンアタイムインザウエストなら観たことあるけどウエスタンはないな〜と思ってたら同一の映画なんかい こってりこってりだった記憶しか残ってなかったけど確かにオープニングがずば抜けて格好いい この鈍>>続きを読む

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

4.2

続編ちゃうやないかいってズッコケはありつつ、予算増えたね!?てなる南北戦争の挿話なんかもわくわくするしThe uglyと名づけられた太っちょ髭面おじのトゥーコがよかった あらゆる悪事を働いてきたことを>>続きを読む

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)

4.0

ストレートに「格好いい」を狙いに行ってることに最初ドギマギが勝ってしまって乗れないかも、と思っていたけどあまりの「格好よさ」に結局押し流されて中盤からはメロメロと観てしまった 何がいいって敵役のインデ>>続きを読む

パディントン 2(2017年製作の映画)

3.9

前作に比べ「移民」というテーマにフォーカスしてないので現実との地続き感はなくなってるものの、ドタバタコメディ活劇としては引き続き楽しい 薦めてくれた友人が「1ではペルーからやってきた移民のパディントン>>続きを読む

パディントン(2014年製作の映画)

4.7

新しい友人に初対面の席で熱く薦められて翌日早速観た 涙腺がばかになってるので冒頭から泣いてしまった 住み慣れたhomeを失いそれでも人生は続くと新しい場所に新しいhomeを求め旅立つ移民と呼ばれる人々>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

3.9

すごい変な映画でよかった!そして『牛泥棒』に引き続いて気まずさ映画でよかった…ゲイリー・クーパー演じる保安官の冒頭の結婚式でのちやほやされっぷりから一段一段丁寧に梯子を外され知らずに済みたかった真の町>>続きを読む

牛泥棒(1943年製作の映画)

4.2

すごかった、短いながらに寓話性と人間のリアリティを闊達に両立させたストーリー展開がまず秀逸だったけど、そんな冷静に眺めてられなくてちゃんとずっと嫌 なにより終盤の致死量の気まずさがほんとすごい いや気>>続きを読む

女群西部へ!(1951年製作の映画)

3.9

ミークスカットオフやウーマントーキングなど、女性たちが幌馬車を引いて途方もない大地を横断していくやつになんでか弱いのでそうした絵がずっと続く道中でありがたかった この絵が撮られているということは、実際>>続きを読む

静かなる男(1952年製作の映画)

4.6

こんなに剛腕ハッピーな映画あるかい!!と張り手でも打ちたくなる、わたしは大の大人が真剣に地元ヤンキーみたいな喧嘩(デート先で口論になって置いてけぼり食わせたり、意地張って寝室を飛び出したり、何も言わず>>続きを読む

周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

3.8

なんだこれ変すぎる 蒸気船レース始まってからずっと画面が壮観すぎて変 岸で洗礼してる新生モーセに船上から投げ縄かけるシーン声出して笑っちゃったしそのあと川を引き回されてる時間長すぎてギャグパートとわか>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

4.0

おもろいけど妙に雑然としてて変てこだな〜と思ってたら実話ベースなんだ、相変わらず緩急がどっちもすごいフォード 「急」でいうとなんといってもドク・ホリデイのねかしつけが最高 突然ドクが銃を振りかざす!そ>>続きを読む

わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)

3.7

炭鉱のエレベーターがゆっくり上がってくるのが毎回怖い お父さんのことダダって呼ぶのかわいいと思ってたら最後にとんでもない形で回収された 水浸しの炭鉱に悲しく響く「ダダ」

谷を越えて一族で唯一学校に
>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

4.6

こんなにも贅沢な映画をこれからまだまだたくさん観れるなんて幸せだな!!の興奮に包まれた モニュメントバレー(あの独特なバカでか岩山郡がモニュメントに見えるからその名前らしい)という大地がまず意味わから>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.3

8年前に見たときは登場人物の顔も名前も相関図も全く頭に入らず混乱してたので友だちに貸してもらったパンフレットからそれらを頭に叩き込んだ上で見返した パンフレットに濱口竜介が書いてることの繰り返しになる>>続きを読む

カップルズ 4Kレストア版(1996年製作の映画)

4.7

ラスト、「もし今君とすれ違ってしまったら世界の全てとすれ違ってしまう」じゃん!!と思いながらべそべそ泣いてしまった 産前最後の映画が『白夜』で産後最初の映画が『カップルズ』になった パリの夜、台北の夜>>続きを読む

真夏の夜のジャズ 4K(1959年製作の映画)

4.2

不揃いな完璧のカケラがたくさん映ってる 3人って素敵でしょ 夏の日差しが待ち遠しい!「聴く」ことで音楽が完成していく 自己完結を斥けて成る芸術ってこんなにものびやかに贅沢でチャーミング 揺れるイヤリン>>続きを読む

ロッキー(1976年製作の映画)

4.8

3年ぶりに見返して激号泣 わたしもおじさんになってしまったのかも…第1作のロッキーは(特に吹き溜まり社会に暮らす)人間の残酷さ・救いのなさ・いじらしさから片時も目を逸らさなくてそこが本当にいい ギラギ>>続きを読む

白夜 4K レストア版(1971年製作の映画)

4.6

ずっと観る機会を待ち望んでた作品をついに映画館で観れてほんとうにうれしい 昔読んだきりの原作をパラパラ再読しながら向かったけど、舞台を現代パリに移したことで夜の暗闇の豊穣さ・ボンネットに反射する街灯り>>続きを読む

スージーの真心(1919年製作の映画)

3.8

クローズアップという技法はリリアン・ギッシュがあんまりに可愛くて生まれたんですか?好きピの婚約を知って思わず笑いが込み上げてしまう一連の表情だけの演技すごい 猫みたいな大きな三白眼にどこかとぼけた風情>>続きを読む

死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)

3.7

さすがにちょと長い、とは感じてしまったけどラスト20分くらいの緊密なテンポ、サスペンス、怒涛の雪崩れ込むようなラストは ッワー!となった 全員野球だ 反ナチ映画なのでもちろんしっかりとナチス=悪なのだ>>続きを読む

熱き夜の疼き/クラッシュ・バイ・ナイト(1952年製作の映画)

4.0

『他なる映画と』でかなりの紙幅を割かれていた、以外の記憶を失って観たのでラングこんなのも撮るんだ〜〜と白目を剥いてしまいました 結婚の腐敗、単調な日々か情熱的な不貞か、逃走としての不倫、甘い言葉だけは>>続きを読む

M(1931年製作の映画)

4.3

くそ格好よかった これが初トーキーなんだ そもそも映像として決定的に見せない格好よさももちろんあるけど、音づくりの大胆さにビビる スリリングなシーンを完全に無音にしていいんだ だめな法なんてないに決ま>>続きを読む

緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

3.7

『牝犬』を踏まえて観てしまうとつい差異探しに集中してしまう 木下千花が群像に書いていたように(「二個の者がsame spaceヲoccupyスル訳には行かぬ 濱口竜介の映画世界における時空間とモノガミ>>続きを読む

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)

3.7

初フリッツ・ラング 映画史および『他なる映画と』の文脈でさすがに見 となった作家の一人 男女の逃避行モノってどこか浸ってんなと冷めながら観てしまう向きがあるのだけど本作の徹底的な世界から傷つけられっぷ>>続きを読む

散り行く花(1919年製作の映画)

3.6

初グリフィス あなたがリリアン・ギッシュ、となる 涙を湛えた眼、裏ピースでの作り笑い

恐怖分子(1986年製作の映画)

4.5

触れたら血の吹き出るような、それでいて微睡むような、不思議な映画 断絶と接続とが知らないリズムで鼓動して遠いところへ連れて行かれる すれ違い合う複数の男女が絡み合う群像劇として最近に観た恋愛時代も頭を>>続きを読む

ゴダールの映画史 第8章 徴(しるし)は至る所に(1998年製作の映画)

4.0

アンヌ=マリー・ミエヴィルに捧げられる最終章 「未使用のネガフィルムは無垢な塊 息を吹きかければ生き始める 吹くのは誰 ヒチコック ラングロワ ヴィゴ つないで見よう 思想と思想をモンタージュで」>>続きを読む

ゴダールの映画史 第7章 宇宙のコントロール(1998年製作の映画)

3.8

これまでの章と比べ語りが一貫していてリファレンスボタン早押し難易度低く助かった 宇宙のコントロールに成功したのはヒッチコックとのこと 誰も映画の本筋は覚えていない しかしハンドバッグは、砂漠のバスは、>>続きを読む

ゴダールの映画史 第6章 新たな波(1995年製作の映画)

3.9

ゴダールみずからが振り返るヌーヴェルヴァーグ 他のどの章より感情的に響く 長く長く引用される大人は判ってくれないの浜辺を走るジャンピエールレオ そこに重なる現金に手を出すなのジャンギャバン あるいはト>>続きを読む

ゴダールの映画史 第5章 絶対の貨幣(1995年製作の映画)

4.0

ラストの戦後イタリア映画への真っ直ぐなラブレターに思わず落涙 単なる手放しの賛美ではなく、現在為されないことがなぜイタリア映画には成し得たのかの考察 映画史

セルビアでの虐殺を黙殺するヨーロッパ政府
>>続きを読む

ゴダールの映画史 第4章 命がけの美(1994年製作の映画)

3.8

上裸に真っ青なサンバイザーを被って葉巻をふかしながら机に向かうゴダール、よい 命がけの美 徴(しるし)は至る所に 銃を見せるカメラは男性性器の位置に、女性を見せるカメラは胸の位置に 愛の物語の奥には乳>>続きを読む