ARANさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

HANA-BI(1997年製作の映画)

5.0

愛と人生を描いた映画の最高峰とも言える作品なんじゃないだろうか。この映画が金獅子賞を獲得したのも当然のように納得できる。「この男凶暴につき」でもそうだったけれど、北野武が描く男はいつも優しい。この残酷>>続きを読む

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)

4.0

脚本が誰か知らずに見てたからなかなかイカれてる映画作るなーと思ってたら案の定タラちゃんだった。欲を言えば監督もしてほしかったけどトニースコットもめちゃくちゃ良かった。タランティーノ脚本を最大限に活かし>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

5.0

世界で一番かっこいい漢、現代に蘇った最後の侍。それが三船敏郎。最初に見たのがセルジオレオーネ監督の荒野の用心棒(A fistfull of dollars)だったけど、こんな映画見たらそりゃ真似して作>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.6

1回目で一ミリも理解できなかったのでネットの力を借りながら2回目を観に行って、全部ではないにしろ自分なりにこの映画を楽しめるレベルには理解できた。
まずこの映画、絶対的なルールとして過去に起こったこと
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.5

男兄弟がいるからスティーヴィーの行動や感情にめちゃくちゃ共感できた。お兄ちゃんの部屋にこっそり入って自分が見たことない文化に触れるのは、まるで異世界に入ったみたいにワクワクするし自分が大人になっていく>>続きを読む

仄暗い水の底から(2001年製作の映画)

3.0

恐怖心を煽りに煽っていざ出てきたら怖くなかった。出てこない方がまだ怖かった。
黒木瞳の演技の切り替えが上手かった。

ペイ・フォワード 可能の王国(2000年製作の映画)

4.0

人を信じるということの難しさと大切さを同時に学べる映画。人を信じる。最も重要であるが故に最も難しいこととも言える。現代社会においてこの人を信じることが前提であるpay it forwardが起こったな>>続きを読む

Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

4.0

この映画の原作がウォッチメンなどを書いたアランムーアのアメコミで、もうその時点で奇天烈というか思想が強そうな感じしてる。この作品で語られてる政府というのが極端な独裁国家である故にVの復讐と革命が成り立>>続きを読む

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.2

やはり笑いと暴力というものはもとは同じでどこかで分岐したものなんだろうか。お笑い芸人であるビートたけしがこんなにも狂気じみた作品を初監督で作れるのも納得がいく。いつもジョークを言って笑ってた我妻も後半>>続きを読む

アルカトラズからの脱出(1979年製作の映画)

3.8

イーストウッドがとにかくイケメンすぎて一挙手一投足に見惚れてしまう。セキュリティは映画だし昔だからガバガバに感じるけど、実話っていうのもあって脱出ものとしてのハラハラドキドキ感は全然味わえる。それにし>>続きを読む

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

5.0

この映画は全人類が見るべきだと思う。ただ変わらない現状にいたたまれない気持ちになってしまう。この世界の全員がこの映画のデレクや校長のように変われるわけではないのが悲しい。殺され憎み、殺し憎まれを人類は>>続きを読む

キック・アス ジャスティス・フォーエバー(2013年製作の映画)

3.8

続編としてしっかり作られてるしストーリーも間延びせずに楽しく見られた。

もののけ姫(1997年製作の映画)

4.0

テーマが壮大すぎて考えだすと禅問答みたいにぐるぐる回ってしまうから考えるのはやめた方がいい。生きるってことは別に綺麗で素晴らしいことじゃなくて、醜くて汚らしいことでもなくて、ただ生きることなんだと思う>>続きを読む

耳をすませば(1995年製作の映画)

5.0

自分が子供の時に死ぬほど見てた作品。懐かしすぎる。久しく見てなかったけど今こうして見ると相変わらずなんとも言いがたい雰囲気を持ってるな〜。この作品を絶賛する人も批判する人もそのどちらもがあの時置いてき>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

4.5

6年前の公開初日に見た個人的にかなり思い出のある作品。今こうして見ると感慨深いものがある。あの頃はこの映画を見てどう感じてたのか。多分今とあまり変わってないかな。米軍史上最高と言われている狙撃手もたっ>>続きを読む

フォロウィング(1998年製作の映画)

4.5

大天才クリストファーノーランの処女作。天才は最初から天才だったわけか。大どんでん返し!とかそういう派手な結末じゃないんだけど、緻密な脚本と伏線でラストは思わずあーそうゆうことかって言っちゃうやつ。尺7>>続きを読む

メメント(2000年製作の映画)

5.0

この映画を何年ぶりに見ただろう。初めて見た時は意味わからなすぎてなんとなく凄いと思ってたけれどしっかりと考えると本当にとてつもないことしてるんだなと実感した。この映画を見てる人は主人公と同じように数分>>続きを読む

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

3.8

向井秀徳作曲、宮藤官九郎作詞の天国という曲を初めに知って、その曲がこの映画の劇中歌ということで興味を持って見てみた。アホみたいな演出と馬鹿げた設定だけれど、なぜか心に響いたな。これが向井秀徳の凄さなの>>続きを読む

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

4.0

僕の大好きな銀杏boyzの骨という曲にある「ポンヌフの恋人のように踊らせて」の意味がようやく分かった。私利私欲に塗れた泥臭く醜さすらある愛だけれど、それでも二人は船で遠い所に行くんだなぁ。お綺麗な恋愛>>続きを読む

キック・アス(2010年製作の映画)

4.0

なぜかずっと見てなかったシリーズ。超能力なんて特にない平凡なオタクがなんやかんやでヒーローになっちゃうアメリカ人が大好きなお話。主人公イケメンすぎやしませんかね。まーただめちゃくちゃに面白かった。監督>>続きを読む

ヘンリー(1986年製作の映画)

3.5

雰囲気はかなり好きだったけど内容と主人公の魅力が無さすぎてつまらなかったかな。殺しをまったく悪いことと思ってないし、それでいて普通に人を思いやる心を持ってるのがまた怖い。

パットン大戦車軍団(1970年製作の映画)

4.5

賛否両論あったパットンという人物の二面性が上手く描かれていた。根っからの職業軍人で政治的な面は疎く、発言も過激であることから嫌われる理由も分かる。ただこと戦闘の指揮となると彼の才能とカリスマ性がいかん>>続きを読む

ザ・テキサス・レンジャーズ​(2019年製作の映画)

3.8

あのボニーとクライドを扱ったアーサーペン監督の俺たちに明日はないという映画とは全く逆の警察側を追った映画。俺たちに明日はないで描かれたボニーとクライドはなぜかそんなに悪を感じなかったがこちらの映画では>>続きを読む

サッドヒルを掘り返せ(2017年製作の映画)

4.5

the good,the bad,and the uglyに魅せられ、いい意味で人生を狂わせられた人達による素晴らしいプロジェクトのドキュメンタリー。あのラストシーンの美しいサッドヒルが土に埋もれてた>>続きを読む

ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)

4.2

謎の手紙によって自分の息子を探して過去への旅に出る哀愁漂う独身男ビル・マーレイ。終始悲しい雰囲気が蔓延してて特にビル・マーレイの後ろ姿、なんともまぁ男の哀愁が似合うことか。この旅を通して彼が感じたのは>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ面白い!っていう訳では無いんだけどね、なんかこうすごく見てられるんだよな。カメラ割りも死ぬほどシンプルだからこそスッと入ってくる。それぞれのエピソードでの俳優達のコラボも面白い。この映画見>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.8

この色彩豊かな絵本のような世界観がめっちゃ好みで最高だった。観客はこのグランドブダペストホテルの物語を聞くだけで永遠の友情と永遠の愛を感じられる。展開のテンポもいいし面白い画角の画だったりカットが工夫>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.6

それぞれがそれぞれの形で本当の家族を見つける奇跡の物語。万引き家族とはまた違った視点から家族とは何なのかをテーマとした素晴らしい映画だった。オープニングクレジットを東京の街並みを上手く利用して出すこと>>続きを読む

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

あの看板の順番だったり吐血した時の異様な焦りだったり不自然な自殺だったり、妙に引っかかる所が何個もあったけれど、おかえもんさんの解説記事を読んで納得した。若干こじつけもあるけれど恐らくそうだろうな。な>>続きを読む

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)

4.6

この映画を見てかなり気になったので同名の宮沢賢治の銀河鉄道の夜も読んだ。この作品で宮沢賢治の最大の問いである生きるということへの疑問とその答えを感じることができた。生きるということは、ほんとうの幸を手>>続きを読む

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.8

二人の青年の友情とその終わりを描いた切ない映画だった。母にも会えず親友であるスコットにも縁を切られ、それでも尚二人の影を追い続ける道の途中でただ一人倒れてしまう。雄大な景色と成年の悲哀が妙に美しくて。>>続きを読む

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.0

複雑すぎる感情の交錯があって見ててかなり胸が痛くなるシーンが沢山あった。自分の中で矛盾した気持ちが生まれて葛藤していたイニスも最後には永遠に一緒だよと言えるくらい本当の自分の気持ちに気づけてよかった。>>続きを読む

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.5

松田優作。この人がどれだけ異次元な俳優なのかを身をもって感じることができる映画。やっぱりいい映画には主役を喰っちまう魅力的な悪役が必要なんだね。ストーリーもシンプルだけれどかなり好きだった。ただ最後捕>>続きを読む

ベニスに死す(1971年製作の映画)

4.2

若さと老い、生と死、純粋と不純、希望と絶望を対比させて人生観を問う小難しい作品。テーマも奥深く映画自体も全体を通して起伏なく静かな印象なのでつまらなく感じる人もいるかと思うけど、その心配を全て消しとば>>続きを読む

それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

5.0

刑事裁判の基本中の基本は疑わしきは罰せず。これは自分の中の無罪の気持ちが1%でもあるのなら、例え99%有罪だと思ってようが無罪にするべきということ。一見おかしいことだと思うけど、この映画の冒頭の一文で>>続きを読む

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

あのスタンリーキューブリックのベタ褒めによって期待ぶち上げされてもしっかりと期待以上の映画だった。怖さの階級があるとしたらこの映画から伝わるそれは間違いなく最上級のもの。この映画を見る予定の人はネタバ>>続きを読む