通りすがりのアランスミシーさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.5

「男女の壁」という限りなく普遍的なテーマを扱いながら、それをさらりと語ってしまう凄い作品。

セリフの量は控えめで、さりげないしぐさや描写を積み重ねる語り口なので集中力を求められるが鑑賞後に心地よい疲
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検察側の罪人(2018年製作の映画)

2.1

これは困った。
全くと言っていいほど展開について行けない。
説明しすぎるのも良くないが、あまりにも説明しないのはもっと困る。
飛び飛びなストーリーテリングにも問題があるが、膨大な情報量を無理やりセリフ
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イコライザー2(2018年製作の映画)

4.3

テレビドラマ「シークレットハンター」のリメイク映画二作目。
監督のアントワーン・フークアは元々「トレーニングデイ」という偏差値が高めな映画で評価を上げた人だが、今はほぼアクションが専業。
暗めの画面で
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.1

良くも悪くも社会的主張が前に出るスパイク・リー監督の久しぶりのクリーンヒット。
KKKに潜入捜査した黒人警察官という嘘みたいな実話の映画化だが、お得意のうるさいぐらいの社会的主張はそのままにサスペンス
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キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

4.3

監督が一作目のジョー・ジョンストンからルッソ兄弟に交代。

舞台は第二次大戦中から21世紀に変更。

良くも悪くも保守的で、ある意味では完成形の想像がついてしまうジョンストンから若いルッソ兄弟への変更
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.1

20年ぶりにカンヌ国際映画祭の最高賞を日本にもたらしたことで話題になった社会派ホームドラマ。
映画『歩いても歩いても』ドラマの『ゴーイング マイ ホーム』と2010年ごろから様々な形の家族の形を描いて
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

3.9

競技カルタに青春をかける変化球スポコンアイドル映画。
完結していない原作に対して完結編として映画なりの決着をつけた結末は綺麗に纏まっていたし、アイドル映画としても漫画の実写化としても皆んなが幸せになれ
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まっ白の闇(2017年製作の映画)

1.2

拷問、薬物中毒の恐ろしさというより作品自体が拷問。

監督の訴えかけは良くわかるしやりたいことも良くわかるのだが、この作品に関してはそもそもフィクションである必要がない。

中盤の薬物依存から抜け出せ
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ぼくらのさいご(2015年製作の映画)

2.9

特に何があるというわけではないが逆にそれがウリとも言える作品。
「自分が自分が」「人人人」で埋め尽くされる傾向のあるインディーズ映画の世界だが、この作品のように構図の奥行きを意識してたり、余白を作って
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探偵ヨンゴン 義手の銃を持つ男(2011年製作の映画)

3.9

「エイリアン・ビキニの侵略」でインディーズ会を騒がせたオ・ヨンドゥ監督のアクションSF映画。
この内容で95分は長すぎると思ったし、低予算故のチープさが見え隠れするが普通にエンターテイメントとして楽し
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センターライン(2017年製作の映画)

3.5

まず「人人人」と人に寄りすぎる傾向のあるインディーズ作品において
監督が自分語りに終始せず、観客に見せることを意識した作りになっている時点で賞賛に値する。

映画としてどうか?と言われると検事オフィス
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アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

4.3

監督が前作のジョス・ウィードンからルッソ兄弟に交代。
「キャプテン・アメリカ」をリフレッシュさせた手腕が本作でも冴えている。
上映時間が長いがここまで登場人物が増えると見せ場を作ったうえで交通整理する
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.8

誰が犯人なのか?誰が悪なのか?何が悪なのか?
全てをはっきりとは描かないのがいかにも2010年代の映画らしい。
韓国映画の「殺人の追憶」を思わせるグレーな世界を描いた正統派ドラマ。

ストーリーは徹頭
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

4.5

スタイリッシュド派手な「スパイってなんだっけ」という哲学的問いかけを投げかけるアクション超大作シリーズ。
監督・脚本のクリストファー・マッカリーは「ユージュアル・サスペクツ」というだいぶ偏差値の高い映
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.1

ゾンビ映画と思わせつつ実は日本版『アメリカの夜』だった
という2重構造が話題になりインディーズなのに記録的なヒットを飛ばした超低予算映画。
私としては出演者に面識のある人がいるし、周辺スタッフとか予算
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.1

『LGBT』について描いた社会派テイストの映画…という点はこの際どうでも良くて純粋に青春恋愛もの映画として良作。

監督がアスガル・ファルハーディーに影響を受けているという発言をしていた通り影響は明ら
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尊く厳かな死(2015年製作の映画)

2.7

誰がどう見ても内容が推測のついてしまうタイトルがすべてを物語っている。

映画というかあまりフィクションである必要性が感じられない作品。

同監督の後発作品「カランコエの花」に比べてぎこちなさがだいぶ
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11月19日(2017年製作の映画)

3.8

色々と未熟な作品。
まず1シーン1シーンの尻の余白が異常に長い。
ただ下手なだけというより徹頭徹尾長いので監督が意識してやっているのは伝わってくるが、このテンポが受け入れられない人には作品自体が受け入
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モラトリアム(2016年製作の映画)

1.1

映画である必要が無い、というか映像である必要が無い作品。
哲学的な大量のモノローグは小説の一人称語りとしては普通にありだと思うが、映像で見せられても一つとして頭に入ってこなかった。

全体があまりにも
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ニセコイ(2018年製作の映画)

3.0

アイドル映画としては完璧、映画としてはクソ。
これ以上に語るべき言葉が見当たらない。
中島健人と中条あやみだけが観たい人にとっては星5の映画だが
それ以外の人にとっては星1。
河合勇人監督は『俺物語!
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まなざし(2015年製作の映画)

3.7

刑務所帰りの老いた親の介護を娘がする、その姿をひたすら淡々と描いた
非常にしんどい映画。

セリフが極めて少なく、音楽も全くといっていいほどない。
極めてストイックな作りで93分が180分に感じるくら
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青三十二才(2014年製作の映画)

1.4

擬似親子関係の姉妹のメロドラマ……なのだが、非常に小さな閉じきった世界の話なのに表現が大仰すぎて違和感がする。
激昂して机を叩くマルチアングルカットなど
『?』と首を傾げたくなる表現が多い。
芝居も徹
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ビブリア古書堂の事件手帖(2018年製作の映画)

1.8

同名ライトミステリシリーズの実写映画。
古書を巡るミステリーということで舞台になった鎌倉のフォトジェニックな光景と深度が浅く人物をみっちり詰め込んだフィックスショットが中心で淡々と進んでいく演出が途中
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ラプラスの魔女(2018年製作の映画)

1.5

『プラチナデータ』の悪夢再び。
映像化頻度が高い作家が直面する問題、それは事故。
本作はそんな東野圭吾原作事故物件の数多い1本になってしまった。
全体を通して問題なのが櫻井翔氏演じる青井教授の存在で
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家族の風景(2013年製作の映画)

1.3

売れっ子俳優の池松壮亮が監督との学生繋がりで出演していた
というのが唯一の売りだったインディーズ映画。

私のようなインディーズ映画を山ほど観てきた人間にとって誰が出演しているかは作品を観る上で最もど
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おっさん☆スケボー(2012年製作の映画)

3.5

個人的にはめちゃくちゃ好きな作品。
なのだが映画ではなく作りがコントなので泣く泣くここまで点数を下げた。

極端な乗り物酔い体質のおっさんがスケボーで新潟まで行こうとするのに
公園で若者とスケボー買う
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かしこい狗は、吠えずに笑う(2013年製作の映画)

4.5

凄いインディーズ映画。
これまでインディーズ映画を山ほど観てきたが
「作家性」と「エンタメ性」をここまでの高い水準で両立させているものは見たことがない。

この作品についてはあれこれ書くのが野暮になり
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