ゆうゆさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

4.6


ひ弱な仔猫から凛々しい獅子への少年の成長物語。豪華な中華のフルコースみたいな喜怒哀楽とデジャブ感満載な美味しいとこ取りの圧がすごい、おなか満腹映画(げっぷ)。スクリーンで観れてほんとに良かった。
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ハープーン 船上のレクイエム(2019年製作の映画)

3.3


3人ともクズだったけど男子ふたりがなんであの彼女に入れあげてたのかが謎。
とりあえず前に観た時は難解だった「ライフオブパイ」をいつかリベンジしたい。

海は全ての悪事を見てる

ガール・イン・ザ・ボックス(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます


夫婦に拉致されたヒッチハイク少女が奴隷として監禁されていた実話ベースのお話。前に仰天ニュースでも扱われていた事件。恐怖を植え付けられての洗脳の恐ろしさ、逃げるチャンスはいくらでもあったのに そうはさ
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.6


緑豊かで長閑な田園風景と柔らかな陽光に
包まれ無邪気に戯れる子供たち。
牧歌的な安らぎの象徴の土台には
"見えない"暴力によって繰り返し流れた
女性たちの血と涙と叫びが滲む

時代錯誤的な設定は未
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劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション(2010年製作の映画)

3.5


地球滅亡?直前のほっこり珍道中。
シンプルに '行く意味があったん?' って思わずつっこまずにはいられない笑。大きな目でみると出逢があってグダクダがあってまわり道があって大切な家族がある、長い人生も
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怪物(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます


人の視野がいかに狭く偏った物差しで対象を短絡的に捉えてしまっているのか、ラッパに吹き込む息子の魂の叫びは母には不穏な音色として響きわたる。
子供たちが無邪気に連想するカードゲームのメタファー、掻い摘
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ザ・セル(2000年製作の映画)

3.7


猟奇殺人犯しか知らない真実を得るために精神世界に入り込んだ主人公が男の悲痛なトラウマに触れ歪な世界に引きずり込まれながらも彼の内面に近づいていく。
内容はありきたりだけど潜在意識下での抑圧された凄惨
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ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

3.9


ずっとゴリラと飼育員の感動物語だと思ってたけど全然違った。
仕事でいっぱいいっぱい、心を失くしかけている娘を心配し戯ける神出鬼没のパパ。ユニークを通り越し 痛キモいのになぜか愛おしくなる不思議、恐ら
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プリンス&プリンセス(1999年製作の映画)

4.3


涙が星に変わるとき夢もきっと叶う

どこを切り取ってもロマンティックな影絵を優雅なフランス語で彩る極上のアートはイマジネーションに満ちたおとぎの宝石箱のよう。1分間のインターバルも洒落てる♩¨̮
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ピアノチューナー・オブ・アースクエイク(2005年製作の映画)

3.5


甘美で退廃的な世界に閉じ込められた憂いの歌姫。セピア色にゆらめく幻想的で夢見心地なひかりの瞬きと闇に染まっていくような悪夢的な狂気の融合に痺れる。
閉鎖的でおとぎ話味のある妖艶な展開と描写は「ツバル
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赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

3.8


誰かの犠牲のもとに成り立つ閉ざされた場所は今もむかしも変わらず悲しい歴史を紡ぎ続けている。

飢えと寒さが家の中を満たしている
食べるものはなく寝る場所はない
私たちの隣人はもう正気を失ってしまった
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.9

‬‪‪‪
ビデオカメラの中で眠っていたあの愛おし
くも懐かしい時間。若い父と幼い私がレン
ズ越しにお互いを見つめ ありのままを映し
出す、大好きなひとと過ごした色褪せた夏
の記憶。
非日常の高揚感に通
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Benigni(2009年製作の映画)

4.1


クレイアニメのショート。
孤独なおじさんの腋の下にある日できたおできがみるみる成長してE.T.みたいな表情の人格がうまれる。ふたつのストロー、頬寄せ合うバットマン…ニコイチとなったふたりの仲睦まじさ
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the Future ザ・フューチャー(2011年製作の映画)

4.0


人生の過渡期に自身に向き合い彷徨うふたりとパウパウの30間日の軌跡。空気のような距離感からは想像もしてなかった未来への扉が開かれ 月の照らす導きがふたりに切ない影をおとす
3時14分の壁を打破し迎え
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君とボクの虹色の世界(2005年製作の映画)

4.3


愛し愛されたい"you & me" たちの夢の架け橋がオリジナルなパステルカラーで彩られるロマンティックで哲学的、シュールでポップでやさしさの滲む不思議な多幸感。みんなが緩やかに繋がり それぞれが背
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若葉のころ(2015年製作の映画)

3.7


風薫る瑞々しい季節(とき)を淡く眩く芽吹く 甘く切ない恋の苦味。燻りつづける胸の痛みは いつまでも私たちの心の片隅できらめきを放ち続ける、、
エンドロールだけでも充分にノスタルジーに浸れてぎゅっとな
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.2


あどけない顔立ちの中に世界を敵に回し威嚇するようにひかる鋭い眼差し、少女のように華奢な体躯には不釣り合いな苦しみを背負ってたどたどしく歩く覇気のない後ろ姿。自分の出自を恨み理不尽な制裁を下してしまっ
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(2021年製作の映画)

3.5


発掘された映像に映るのは世界最古のストップモーションアニメ…という設定。少女が骨から肉づけされた死体を操り蘇りの儀式を行ってる様子はメルヘンとグロテスクの融合。シュールな恋の花は彼女の報われなかった
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Luis(原題)(2008年製作の映画)

3.7


前作のルシアとルイスは恋人同士だと思っていたけど彼はかなり怒り心頭な様子。ルイスが呪怨くんに見えてくる
短尺でもどちらもインパクト大。

Lucía(原題)(2007年製作の映画)

4.5


めっちゃ怖い。
変容する少女の拙い声が耳元で囁いてるような緊張感にぞわぞわと肌が粟立つ。
尺も短いぶん「オオカミの家」よりインパクト強くて震える。
ヘッドホン視聴おすすめ

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.0


雄大な自然美の中でその幻想を打ち砕くように我が物顔で振る舞う人間のちっぽけさ。愛とたくさんの無情を浴び見つめるイーオーの潤んだ瞳はまるで 欲望渦巻くすべてのカルマをのみこみ創成された世界(地球)の表
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コロニア(2015年製作の映画)

3.5


「オオカミの家」のヒロインが逃亡してくるモデルとなったコミュニティが今作テーマのコロニア・ディグニダだと知りすぐに後追い鑑賞。
閉鎖的な内情は独裁的な男による一見 牧歌的、その実情は洗脳的に支配され
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.6


めくるめく悪夢の細胞分裂を体感してるような衝撃、確かにアリアスターが虜になるのもうなずけるストップモーションアニメで彩るダークなワンダーランド。ワンショットで展開される70分は廃れたお化け屋敷で心が
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ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~(2022年製作の映画)

5.0


「ごめんね」と「ありがとう」が何度も交錯する尊い夫婦の絆。ずーっと同じ場所で笑い合い慈しみ合い愛情たっぷりの食卓を囲んできたかけがえのない時間。娘が「ただいま~」と言えば、いつも両親のあたたかい笑顔
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8


自分で築き上げてきた頂点を死守しながらもその土台が次第に蝕まれていくという物語は至ってシンプル、だけどとにかくケイトの独壇場で支配する狂気と音の魔力にぐいぐいと惹き込まれる160分だった。ポスターに
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セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身(1966年製作の映画)

3.6


整形手術によって別人に生まれ変わった男が陥る恐怖の末路。
"死者"に導かれ おかしな世界に迷い込み次第に追い込まれていく世にも奇妙な物語。人生の表面だけをなぞってきたような男が面の皮を替え再出発する
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.8


ミカエルアースの、悲しみの淵から緩やかに再生されていく人々を見つめる平坦であたたかな眼差し、彼の視点で映し出されるフランスの 少しひんやりとして寂しげなのに熱気を帯びたノスタルジックな街の喧騒がとて
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.0


ひとりの女性の"もしも"で派生するそれぞれの運命。些細な偶然の積み重ねがこんなにもドラマティックに生き方を左右してるのかもしれないという説得力。お気に入りルーさんの、生き様によって繊細な変化をみせる
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悲惨物語(1973年製作の映画)

3.8


ふたりだけの背徳的な時間、うまれた
ときからふたりの関係性は父(義理)と
娘ではなく男と女だったんだと思う。
母性を知らない娘(少女にも見えちゃう
不思議)は自分を抱きしめるようにいつ
も膝を抱えて
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害虫(2002年製作の映画)

3.6


イノセントな色香を放つ無邪気な魔性はま
るで 雨だれに張り巡らされた蜘蛛の巣のよ
う。瑞々しく儚げなのに強固な女の毒も秘
めてるようで 惑わされた男たちはその魅力
に囚われるといくらもがいても逃げら
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その日、カレーライスができるまで(2021年製作の映画)

3.5


さえないおじさんのほっこりカレー日和を
想像してたけど何気に切なくていい意味で
裏切られる。リリーさんの零す涙の哀愁に
こちらまでうるうる。
わが家のカレーは2日目以降謎に誰も食べ
ないので最近はも
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愛おしき隣人(2007年製作の映画)

3.7


グレイッシュなトーンで死人みたいな人達
の真顔が織りなす 静止画のようなロイアン
ダーソンのオリジナルの世界。まじで寝な
かったことないんだけどなんかクセになる
絶大な魅力。
かなしいことも小さな希
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.2


母として娘として女として見つめる日常の
風景は嬉しみや哀しみ、やるせなさに溢れ
色んな表情の涙が彼女を彩る。これまでも
たくさんの涙を流してきたであろう彼女が
日々うまれる小さなドラマに翻弄されなが
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アルピニスト(2021年製作の映画)

4.1


そこにに聳え立つ壁があるから高みを目指
し貪欲に登りつめる、ただそれだけのこと
なのに人間の限界の更にその果てに手をの
ばしているような とてつもなく壮大なドラ
マとロマンを感じた。飾らない言葉と無
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イーグル vs シャーク(2007年製作の映画)

3.6


暗い海底をさまよう孤独なリリーが恋した
のはトゲトゲしい日常の中できらりとひか
る勇者のワシ。クセ強オーラむんむんだけ
ど 運命的なホクロの繋がり以上に彼女には
はじめから彼の内面に潜む悲しみや孤独
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