Kumonohateさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

Kumonohate

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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.0

2008年におきたムンバイ同時多発テロの映画化。タージマハル・ホテルでのホテルマンたちの英雄的行為にスポットを当てているが、その描き方には抑制が効いている。むしろ強く匂ってくるのはヒロイズムよりはテロ>>続きを読む

惡の華(2019年製作の映画)

3.5

青春は矛盾だらけ。青春は行ったり来たり。青春はつべこべ悩む。青春は息苦しい。青春はうつむく。そんな何十年も前の実感を思い出す。だが、さすがに時間が経ち過ぎているからか、描かれている青春が少し遠くて少し>>続きを読む

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)

3.9

今この瞬間に、世界の何カ所で戦闘が起きていて、何人の一般人が巻き込まれているのか。その実態を明らかにするためには、心と体をズタズタにしながらも、俯瞰に退くことなく銃弾の雨に飛び込んでゆける強靱な刹那的>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.8

宇宙人ジョーンズは海王星にいたのか。ハリウッドはもう何だって描けちゃいますから、ドラマ表現は無限ですよ〜、という作品。

なんていう軽口はともかく、同胞を見いだせないままに太陽系内に拡散してゆく人類は
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記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.6

最後まで想定内のストーリー。でも、必要十分条件がバランス良くキッチリ組み込まれているストーリーはさすが。抜群の中井貴一の力もあり、笑えるし楽しめる。おそらく制作者には政治批判の意図は無いだろうが、現状>>続きを読む

人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

3.0

やけに健康的な太宰。やけにまっとうなお仲間の小説家たち。やけにステロタイプな愛人たち。

ヘルボーイ(2019年製作の映画)

3.4

普通。ジョヴォ姉さんの出番が少なかった(涙)。ヘルボーイも表層的にはもっとおバカな方が、いろいろ引き立つと思う。

見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.8

目を開いたまま目が見えない演技をするのは大変だっただろう。そんな吉岡里帆が良い。内容も、なかなかあり得ない設定を成立させるためか乱暴だったりもするが、描写が結構容赦なかったりサスペンスがキッチリ盛り上>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

4.0

風刺的で抽象的でシンボリックでメタフォリカルでシュール。おそらくアメリカ(US)人なら現状や歴史からいろんな記号を読み解けて、クッキリしたテーマを受け取ることができるのだろうが、日本人にはそうした読解>>続きを読む

柳生武芸帳 双竜秘剣(1958年製作の映画)

3.0

前作同様、複雑なストーリーを100分に詰め込んでいるため、いつの間に恋仲に?いつの間に敵対?いつの間に仲間?君たちは何者?などなど、展開が急過ぎて感情がついてゆかない。

武芸帖に書かれた内容は分かっ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

落ち目の俳優と専属のスタントマンの友情話に実際の事件をからめたストーリーが、栄光の50sが過ぎ去った60sアメリカへの憧憬(とちょぴり嫌悪)を背景に描かれる。ネタバレになるので具体的なことは書けないが>>続きを読む

浪人街(1957年製作の映画)

4.0

1928年の「浪人街 第1話 美しき獲物」のマキノ雅弘監督自身による3度めのセルフ・リメイク。オリジナル版の現存率が低いため、同じ監督によるリメイク版はとてもありがたい。監督にとってもよっぽど気に入っ>>続きを読む

トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)

3.8

ストーリーの起伏とか劇的なエピソードは余り無い。だが、興味が高じて架空の言語を作っていたとか、高校の親友とお茶を飲みながら強い絆で結ばれたとか、いかにもイギリス的(製作国はアメリカだが)制作秘話(?)>>続きを読む

ロケットマン(2019年製作の映画)

3.5

エルトン・ジョンの楽曲は好きなのも多いがクイーンほどじゃない。だから「ボヘミアン・ラプソディ」のときみたいにいちいち燃え(萌え)ない。そうなるとストーリーの平凡さが際立つ。エルトンの実像への肉薄ぶりが>>続きを読む

イソップの思うツボ(2019年製作の映画)

3.6

石川瑠華と紅甘が良かった。内容も楽しめたが、願わくばもうひとヒネリあると終盤の停滞が避けられたのでは? 前半部のネタバレも惜しい。

ダンスウィズミー(2019年製作の映画)

3.4

三吉彩花かわいいし知ってる曲がバシバシ流れるのでそこそこ満足。でも、ミュージカル部分のキレとかアイディアとかカメラワークとか今一つ乗り切れない。

ライオン・キング(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

アニメ版、ミュージカル版とも未見。当事者が争っていないからとやかく言う気は無いが、やはり「ジャングル大帝」ですな。

それはともかく、凄まじい質と量のVFXにひたすら圧倒される。お腹いっぱい。一方、ス
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柳生武芸帳(1957年製作の映画)

3.5

1957年の稲垣浩監督作品。出演、三船敏郎、鶴田浩二、久我美子、香川京子、岡田茉莉子、大河内傳次郎の豪華版。

天下をひっくり返す秘密が記された柳生武芸帳三巻をめぐり、改易となった龍造寺家残党・権勢を
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新女賭博師 壺ぐれ肌(1971年製作の映画)

-

シリーズ17作にして最終作。三隅研次監督が初登板。

サイコロ賭博の大勝負に勝った銀子(江波杏子)さん、過去16作みたいにこれで一件落着と思いきや、逆ギレした男達を相手にかんざしに仕込んだ短刀で大立ち
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天気の子(2019年製作の映画)

3.3

ついこないだまで雨雨雨で、クランクインしたのに困ったなと思っていたら、すぐ梅雨が明けたら炎炎炎で、撮影中なのに困ったなと思っている。「ブレードランナー」「台風クラブ」「シェルタリングスカイ」「太陽がい>>続きを読む

アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.8

華々しい活躍もしていないのに、時代遅れの産物で壮大な無駄遣いであると当時から指摘されていたのに、存在が一般に明らかになったのは戦後なのに、何故、人々は戦艦大和が好きなのだろう。

フォルムが格好いいか
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戦艦大和(1953年製作の映画)

3.9

昭和28年公開の最初の戦艦大和映画。

などという情報を知ってしまうと、(1)キャストを含めた制作者がみな戦争体験者である、(2)時間経過による風化や脚色が少ない、(3)原作者や考証担当者が実際に大和
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チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

3.5

リメイク(リブート)である以上、オリジナルと同じようなことをやってもしょうが無い。その上で、オリジナルを上回る作品を目指す。というのが作り手の心構えだと思うが、その点本作では、後者が達成できたかは疑問>>続きを読む

女賭博師花の切り札(1969年製作の映画)

3.8

シリーズ第15作。シリーズ中でも出色。面白い。

相棒の政吉(船越英二)、善玉ライバルの浅造(天知茂)、悪玉ライバルの半次(津川雅彦)、悪の親玉の重吉(成田三樹夫)。お銀(江波杏子)さんを取り巻くキャ
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.9

オモチャ映画もなかなか悩ましい問題を抱えているのだな。無邪気に「楽しい〜」とか言ってられない。そんな問題をクリアしながら感動作に仕上げるんだから大したものだ。

ハッピー・デス・デイ 2U(2019年製作の映画)

3.5

アイディアを踏襲している以上、インパクトは前作に大きく及ばない。しかし、その割には予測不能感は保たれているし、飽きさせない工夫もされている。また、設定や犯人がネタバレしているため薄まってしまったホラー>>続きを読む

女賭博師丁半旅(1969年製作の映画)

3.7

シリーズ14作。イカサマによって名人位を失った挙げ句に殺された父の仇を討たんと父の弟子・鉄五郎(佐藤允)に壺振りを教わる銀子(江波杏子)さん。敵(鈴木瑞穂)一味の妨害を、鉄五郎や父のもう1人の弟子(藤>>続きを読む

最後の脱走(1957年製作の映画)

3.4

敗戦直後の旧満州。前線に看護師としてかり出されたまま軍に見捨てられた女学生とその教師(原節子)が八路軍に捕まり、そこで看護師として徴用されることになる。既に徴用されていた日本人軍医(鶴田浩二)とのロマ>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

4.0

伊藤詩織さんへの暴行、加計学園、森友学園などをモチーフに(というよりは糾弾)し、テーマにガンガン切り込んでゆく。

とにかく内容が凄い。

日本映画では久しく見なかった強烈な政権批判、なおかつ、緊張感
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ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.6

設定自体は斬新ではないけれど、それをホラーと組み合せた点は斬新。笑える要素や成長物語要素もぶち込まれていて結構楽しい。主人公(ジェシカ・ローテ)の成長っぷりも良かった。

それだけに、一番気になったの
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

3.6

MCUフェイズ3の最後を飾る(「エンドゲーム」であんな宇宙規模の災厄に見舞われた世界をいつもと変わらぬ日常にリセットする)と同時に、フェイズ4の幕開けを予感させ(思いっきり膨張してしまったフェイズ3の>>続きを読む

ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.6

アクションにキレはあると思うし、ドカドカ人が殺されて行く思いっきりもあるし、最後もそれなりに盛り上がるが、登場人物が色々絡まっているワリには話が簡単すぎ。迫力ももっといけるハズ。キレまくる柳楽優弥は良>>続きを読む

X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年製作の映画)

-

時間を遡ったり過去を変えたりスピンオフを量産したりしてくれたお陰で、色々わからなくなりつつあるシリーズ最新作。でもまあ、学園のこととチャールズとエリックのことが押さえられていれば一応はついて行ける。>>続きを読む

懲役太郎 まむしの兄弟(1971年製作の映画)

3.6

組に属さないチンピラ2人組・まむしの兄弟(菅原文太・川地民夫)が大暴れするシリーズ第1作。無銭飲食はする、警官に小便をひっかける、婦警に襲いかかる…というアナーキーぶり。さすが菅原文太。トラック野郎ほ>>続きを読む

泣くな赤鬼(2019年製作の映画)

3.8

小中高の教師と生徒のあり方が理想的だとは全く思わないし、高校野球の監督と生徒のあり方にも色々思うところはある。そうした人間関係を作り出す学校というシステムに疑問を抱いたことも一度や二度では無い。

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ウィーアーリトルゾンビーズ(2019年製作の映画)

3.8

両親が事故死し殺害され自殺したけれど、ちっとも悲しくなかった中学生4人(♂3、♀1)が、色々あって Little Zombies というバンドでデビューするけど、やっぱり色々あってホニャラララ、という>>続きを読む