0i7さんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

四月の永い夢(2017年製作の映画)

4.0

詩人の作る映画はかくも美しいのか、と感嘆しました
劇場公開時に観たいなと思いつつ観逃してしまったのですが、劇場でゆったり味わいたかったなと思いました
言葉の量が過剰な映画も少なくない中、少ない言葉は美
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Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

4.0

坂本龍一さんの現在に焦点を当てた作品なのかなと思っていたのですが、
癌のお話や津波の被害に見舞われたグランドピアノを弾いたり現在の姿も撮しつつ
『戦場のメリークリスマス』や『ラストエンペラー』、『シェ
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ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた(2017年製作の映画)

3.8

原作未読
ボストンマラソンの爆発はニュースとして覚えているけれど、ジェフ・ボーマンという復興の象徴として祭り上げられた人のことは知りませんでした
ジェイク・ギレンホールは観る度に彼が出演している作品を
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太陽の塔(2018年製作の映画)

4.5

太陽の塔の内部を見に行くにあたり予習として鑑賞
太陽の塔に魅せられたのは中2の頃、映画『20世紀少年』の第1章が封切られたことを契機に原作を買い集め夢中で読んだ時でした
岡本太郎さんに魅せられたのは高
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緑色音楽(2017年製作の映画)

3.5

明日(10/15)Web公開が終了すると昨夜知り(ずっとWeb公開されていたことも知らなかったのですが)急ぎスピンオフも併せて鑑賞
臓器提供という制度は知っていたけれどグリーンリボンのことは知りません
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海賊とよばれた男(2016年製作の映画)

3.4

原作既読
原作・百田尚樹✖主演・岡田准一✖監督・山崎貴という『永遠の0』と同じタッグの割に劇場公開時にそこまで奮わなかった印象がありましたが、
興行収入は20億を突破していたようで、大ヒットを記録した
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恋する惑星(1994年製作の映画)

3.5

ウォン・カーウァイ監督作品を鑑賞するのは『ブエノスアイレス(春光乍洩)』に続き2作目
当時映像が斬新だったとのことですが、リアルタイムで観ていないからかよくわからなかったのが正直な感想ですが、幻想的だ
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千年女優(2001年製作の映画)

3.9

今敏監督作品を鑑賞するのは『パプリカ』、『東京ゴッドファーザーズ』に続き3作目
ある日を境に表舞台から姿を消した伝説的な女優を映像制作会社の社長とカメラマンが取材しに訪れ女優の半生を辿る、という梗概に
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

3.8

ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品は『海の上のピアニスト』、『ニュー・シネマ・パラダイス』鑑賞済み
どんでん返しと知りながら観ていたので途中嫌な予感は付き纏っていたのですが、どれくらいの距離で観るか次第
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娼年(2018年製作の映画)

3.3

『娼年』、『逝年』、『爽年』既読
『娼年』の舞台化を聞いたときもあの物語を舞台化するってどんな感じなのだろう、と思ったのですが、
映画化もまた驚きました
舞台は御堂静香を高岡早紀さん、咲良を佐津川愛美
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エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

3.9

本作が実話というのが何とも胸を熱くするなと思いました
ジュリア・ロバーツはあの美貌でかなり口が悪い役を演じていてイメージとのギャップが面白かったです

真実の行方(1996年製作の映画)

4.2

エドワード・ノートンの芝居のかっこよさに痺れました
エドワード・ノートンは本作がデビュー作だなんてただただ脱帽です
どんでん返しと知りながら、あっ、と気付いた時には既に術中でした

チェイサー(2008年製作の映画)

3.8

『あなた、そこにいてくれますか』で哀愁漂う男性を演じていたキム・ユンソクさんが本作で韓国の映画賞を授賞したと知り鑑賞
『あなた、そこにいてくれますか』の淋しげな表情とは全然違う、荒っぽくて実は熱いけれ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

原作未読
一鑑賞者として麦(演・東出昌大さん)は端から理解ができず(尤も麦に惹かれる朝子の気持ちはわかるのですが)、事前にヒロインが理解できないというレビューを見ていたものの半信半疑で鑑賞したら本当に
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死ぬまでにしたい10のこと(2003年製作の映画)

3.5

唐突に告げられる残りわずかな余命にやり残してきた後悔や不安で私だったら気が狂いそうなのに余命幾何であることを誰にも言わない彼女の強さがすごいなと思いました
私には夫も子供もいないけれど主人公とほぼ同い
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ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

3.6

序盤はドリーにイライラしたのですが、ドリーのキャラクターに対してイライラしたというよりはドリーの性質に対して不寛容な己の器の小ささに対峙せられることにイライラしました
「一番素敵なことは偶然起きるの。
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ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)

3.5

劇場公開時に親に連れられ鑑賞
マーリンとドリーに襲いかかる試練をドキドキしながら観ました

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.0

アル・パチーノがもてはやされている理由が今までわからなかったのですが、『ゴッドファーザー』におけるかっこよさと凄みに得心しました
「事実ではない」と言うシーンが圧巻で、『ゴッドファーザー』をよく知らな
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バーレスク(2010年製作の映画)

4.0

梗概はベタですが、良い音楽とかっこいいダンスに魅せられて鑑賞後は爽快な気持ちになりました
シェールさんが美しかったです
テスとショーンの恋愛を超えた精神的な繋がりが素敵であんな関係性を築ける人間になり
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.8

大学の講義の課題だったことが契機で、18歳の時に渋谷オーディトリウムで『Playback』を観て以来、三宅唱監督の作品はチェックするようにしていて(といいつつ、『密使と番人』は映画館では一日限定上映だ>>続きを読む

父と暮せば(2004年製作の映画)

3.4

思えば登場人物が父と娘と娘に好意を寄せる男の3人しかいない(父と娘の会話に登場する人はいても姿が映ることはない)映画は初めて観た気がします
舞台作品の映画化らしく場面転換もほぼなく、間隙のあまりない会
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Mr.インクレディブル(2004年製作の映画)

3.6

悪役のセンスのなさといい人間としての卑小さといい下劣さといい全てがダサすぎて引きながら観ていました
年賀状のやりとりくらいしか基本的には交流のない祖父が本作公開の翌年にくれたのがバイオレットの年賀状だ
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.7

原作未読
ツチダが才能に惚れ込んで尽くすのもせいいちにとってそれが重荷になりながらも同時にそれに甘えているのにも共感しました
ライブハウスのスタッフにも水商売のお姉さんにも見える臼田あさ美さんがすごい
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.0

どこか甘い期待をしていたけれどそれを打ち砕く容赦ない展開に胸が痛かったです
イーストウッド監督はハイペースで映画を製作して世に輩出しながら何故こうもその一つ一つが傑出しているのだろうとただただ驚嘆しま
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羊の木(2018年製作の映画)

3.4

原作未読
本作のホラーのような緊張感は黒沢清監督作品を彷彿させるものだったのですが、
黒沢清監督は少し開いたドアなど静物の不気味なショットで恐怖を煽るのに対して
本作は6人の元殺人犯による行動や表情で
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マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

3.9

どんでん返しと知りながら観たのにあっさり騙されました
仕掛けが全てわかった後の展開も失速感がなくて面白かったです
オープニングタイトルが映像も音楽もかっこよかったです
エンドロールのクレジットで、音楽
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

3.7

原作既読
映画が公開されたタイミングで原作を読んだものの、映画の評価が想像していたよりも低かったため観に行きませんでした
原作のコマ割と映画のショット及び原作と映画のセリフの相似性の高さ故に、インタビ
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ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

4.3

理屈じゃなく無条件に楽しい映画は素晴らしいと思います
James BrownやRay Charlesを始めとする錚々たるミュージシャン達とThe Blues Brothersによる珠玉の音楽と笑えてス
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.8

劇団イキウメの舞台未鑑賞
劇団イキウメ主宰の前川さん作・演出のTeam申『抜け穴の会議室』、『狭き門より入れ』鑑賞済み、今秋上演『ゲゲゲの先生へ』鑑賞予定
前川さんはSFや非日常の物語から人間の根源に
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あなた、そこにいてくれますか(2016年製作の映画)

3.7

現代の自分がそのまま30年前に束の間戻るというタイムトラベルが新鮮でした
30年前には30年前の自分がいてその自分と反発したり協力したりしながら後悔を取り返すべく全力を尽くす様とその後悔はなくせるのか
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

3.7

設定はファンタジーであるにも関わらず、映画はノンフィクションのドキュメンタリーのようで、日本より海外で評価されているのも納得でした
一番の思い出の選択を迫られて「選ばない」のか「選べない」のかという話
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

4.1

原作未読
見苦しいほど不細工な愛に塗れた映画で思わず瞠目するシーンが幾つもありました
なんやかんや綺麗に整えられた愛が溢れる世の中に逆行するような不器用で歪んだ愛でした
山から帰ってきた後の愛のシーン
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不能犯(2018年製作の映画)

3.1

原作未読
料理しがいのありそうな設定にもかかわらず徐々に盛り下がるのが残念でした
松阪桃李さんと窪田正孝さんは同世代の俳優とは少し違う次元の存在という気がします
本作では全く絡みがありませんでしたが、
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今度は愛妻家(2009年製作の映画)

4.2

とても良い映画で素敵でずるいと思いました
"今度"という言葉を使うのが巧いなと思いました
あまり前情報がない状態で観られたのは幸運でした
トヨエツさん演ずる夫の構えるカメラを見て笑う薬師丸ひろ子さんは
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.2

原作既読
原作の地の文(ヨシカの思考)を映画でこう見せるんだという目から鱗の新鮮な手法に冒頭から釘付けでした
松岡茉優さんはとても美人なのに、クラスのカースト下方に位置する人間特有の卑屈さが表情に垣間
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DESTINY 鎌倉ものがたり(2017年製作の映画)

3.7

堺雅人さんの文豪役は風情が本当に素敵でした
結ばれ続けるのも一方的に想いを募らせ続けるのも懲りないなと思いました
今まで見た死神の中でこの死神だったら死んでもいいというベストは『死神の精度』の村上淳さ
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