emuさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

イントロダクション(2020年製作の映画)

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煙草、やめないとね。と言いながら吐き出す煙と雪の美しさ。

あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

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“私の顔の前にある全ては神の恵みです。過去もなく明日もなく、今この瞬間だけが天国なのです”

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

4.6

聖なるクリスマスの夜、亡霊、崩壊、夏の出来事、そして悪魔たち。天使が微笑む美しく穏やかな前半と、悪魔の囁きのような恐ろしさがひしめく後半の対比、全てのシーンが素晴らしい。様々な深い赤色が血や母の胎内を>>続きを読む

コレクションする女(1967年製作の映画)

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アドリアンもダニエルもどちらも好きじゃなくて、ひと夏のバカンスでも私だったら一緒にいるのが耐えられないかもしれない。アイデがとても自由で相手にも媚びず着飾らない美しさを兼ね備えているのが良い。

モード家の一夜(1968年製作の映画)

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言葉より行動で人の本質がわかるというのは本当にそう。自分の信仰と結婚と高慢と偏見。雪に閉じ込められた2人の会話劇が可笑しくて、でも自分にもどこか当てはまってしまうようでドキッとした。

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

4.1

マットレスに寝そべる。手紙を書き、砂糖を掬って食べる。部屋のなかでのリフレイン。砂糖が尽きたあと雪が降り出すという、砂糖と雪の関係がとても素敵で印象的。人と出逢い、語り、触れ合っていても、結局わたしは>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

4.1

ガラス玉のような青い瞳、青を基調としたスクリーンカラーと、決してその人のなかに潜り込むことの出来ない夜。眠っているのか死んでいるのかわからない彼女の横顔は「アンジェリカの微笑み」を思い出す。私はシモン>>続きを読む

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

映画とは人生そのもの、というのはまさにそうだよなと。遅れた夕食、替えのないボタン、ピンクのシャツ、飲まずに捨てたカフェオレと、いつもの席に座れなかった喫茶店。時々胸がざらっとした。単調な毎日の中で、身>>続きを読む

パリのナジャ(1964年製作の映画)

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“パリを発見する以上に
自分について教わる  
住み続ける気はないけれど
決して離れない”

夜のパリ、ラストカットもとても美しい。

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

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スジンがソヨンに向けていた眼差しの変化が良かった。母になった人、或いはなれなかった、なることを選ばなかった全ての女性たちが孤立しないために、差し伸べられる手が絶対に必要なんだと。

自己責任を強いる社
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ノロワ(1976年製作の映画)

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相変わらずの映像美、めくりめくダンスと狂気。”燃ゆる女の肖像”がオマージュを捧げてた海辺のシーンはこれだったのか。体感時間が3時間以上はあったように思えるくらい、ずっと困惑してた。

デュエル(1976年製作の映画)

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月の女神ジュリエット•ベルトと太陽の女神ビュル•オジェの七変化が素晴らしい。衣装がどれも素敵で、特に冒頭でジュリエットが身につけていたポンポンつきのヘッドドレス可愛すぎた。唐突で滑稽、そしてミラクルで>>続きを読む

メリー・ゴー・ラウンド(1981年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

opから随所に挟まれるバスクラリネットとコントラバスの演奏がなぜか心地よい。一度じゃ理解しにくい複雑なストーリーと人物構図だけど、荒野と森の中の追跡劇、ホテルの窓から差し込む淡い夕日の背景、白い砂丘、>>続きを読む

不良少女モニカ(1952年製作の映画)

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煙草をふかしカメラに視線を向けるモニカがズームアップになる瞬間がたまらなく好き。前半の楽しげな夏の日々から、ダークで厳しい現実を突きつけられる後半にかけて色々と心がかき乱される。

オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

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オードリーの生い立ちを追いながら、彼女の言葉や立ち振る舞いの美しさに終始胸打たれた。生前に彼女がたくさん語っていた”愛”という言葉は、世の中に幅広く浸透しすぎていて、私にはまだ抽象的なものでしか捉えら>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.0

“自分がもしあの頃に出会っていたら、世界が少し違って見えたかもしれない。子供だったあの頃の自分に、私のような子どもたちにこの作品を届けたい”という斎藤監督の言葉も、”辛くても苦しくても、壁は机に向かっ>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

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「トップガン」を観てからずっと体感したかった音響と映像体験!IMAXで観たけれど凄すぎた。オープニングからラストまで心がずっと昂ってた。

犬王(2021年製作の映画)

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古典とミュージカル、ロックバンドの組み合わせが斬新でかっこいい。「平家物語」でも描かれた壇ノ浦の戦い、そして”諸行無常の響きあり。”のあのフレーズ。琵琶の弦が揺れるひとつひとつの音と合わさって、今回も>>続きを読む

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

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映画と切っても切り離せない音楽。ハンス・ジマーやジョン・ウィリアムズ、数々の名曲を生み出した巨匠たちのインタビューやお馴染みの名シーン、制作の裏側まで知れてすごく良かった。見る前と後では映画の見方も違>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

4.1

再見。
1度目に見た頃よりも、色んな感情や細かな描写がひしひしと伝わってきた。結婚できないんじゃなくてしようと思わないだけ、と言い切る紀子。”売れ残り”という言葉がすごく引っかかった。お嫁に行くことは
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夏物語(1996年製作の映画)

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偶然が習慣になる、という台詞。
4人のどうしようもない恋模様と目の冴えるような赤の使い方が素敵。マルゴが今作で1番好きなキャラクター。

ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

4.1

グッバイ・ファーストラヴの最終章。
忘れられない恋は、幾つになっても自分の心をずっと温めてくれるもの。大切なものが自分の意思に反して手の中をさらさらとすり抜けていくあの切なさ。情熱的なthe win
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冬物語(1992年製作の映画)

4.3

愛する者との再会を信じる揺るぎない思いと、自分の在り方についての哲学の数々。”人から不幸だと言われても、私という存在は宇宙でただ1人だから、どんなことがあっても他人に左右されないし、自分のことは自分で>>続きを読む

銀河鉄道999(1979年製作の映画)

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壮大な世界観と果てしない旅路。2時間と少し駆け足ではあったけれど、あくまで鉄郎目線の青春、という尺度が美しい。
ゴダイゴのあの名曲の真の意味が理解できるエンディング、思わず泣きそうになった。リアルタイ
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ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

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くるりのハイウェイがすごくこの作品を引き立ててた。海辺のシーン大好き。

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K 完全無修正版(1975年製作の映画)

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どこまでも泥臭くて渇いた場所であっても、ジェーン・バーキンの存在は唯一無二だった。唐突に突き放されるラスト。

パリ13区(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

嫌な女友達に一発食わせ、やった!と呟くノラに思わず私もガッツポーズ。
うまくいかない現実と悪夢のような偶然、向き合えない相手、人間関係の軽さと複雑さがすごくリアルで。私自身大人になりきれないまま生きて
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

“混沌の時代だからこそ生きていこうと思える”という友人のひと言が何故かずっと心に残った。鬱々とした暗い瞳で周りを見つめるシャルルと、環境問題を投げかけるメタファー。生きるのも死ぬのも、どちらもつらくて>>続きを読む

春のソナタ(1989年製作の映画)

3.9

色とりどりの花々とよくわからないままあちこち飛び交う感情たち。ベランダの花に水をやったり、泊めてくれたお礼に花束を買って水を挿して飾ったり、些細で美しい動作がきらきら光って見えた。
フォンテーヌブロー
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劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編] 君の列車は生存戦略(2022年製作の映画)

4.2

TVシリーズも勿論大好きだけど、劇場版は総集編でありつつ新たな切り口のピンドラとしてとても楽しめた。ピンドラアニメを彩ってきた名曲の数々、トリプルHの新曲がかかるタイミングも最高で。現実の池袋を彷徨う>>続きを読む

私の殺した男(1932年製作の映画)

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若者に武器を持たせたのは自分たち老人だ、というお父さんの言葉がずっしりと重かった。ラストのシューマンの奏で、これから先の真っ暗な時代を思うと情緒がかき乱される。

人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)

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自由奔放でひたすらにチャーミングなユリさん好き。エンディングのフィッシュマンズとハートのライター。

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.0

317分、圧倒的。でもまだ足りない、もっと見せてほしいと思った。
あかり、純、茉美、桜子。4人の女性たちが織りなすアンサンブル。リアルな現実と出口の見えない長い長い夜。”ハッピーアワー”って一体何だっ
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