菩薩さんの映画レビュー・感想・評価 - 39ページ目

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.0

毎日繰り返される美しき太腿…は素晴らしいし、代わり映えしない毎日に他者を引き入れてこそ輝き始める未来…らしきメッセージもミニにタコなのだが、つくづくこの手の作品を観る才能が無い自分と言うか何故か知らん>>続きを読む

女群西部へ!(1951年製作の映画)

4.2

フォロワー様全員ベタ褒め案件であるがワシもその列に加えさせて頂く、めちゃくちゃくちゃ面白かったしこれを観てしまうとライカートの『ミークス・カットオフ』が多少霞むのだけが難点…。弱者は当たり前に弱者たれ>>続きを読む

鳥の歌(1995年製作の映画)

3.9

明らかに予算規模の0が1個増えたろ?ってくらい突如としてしっかりとしたつくりに、かつゴリゴリ職業俳優起用してる、なんせジェラルディン・チャップリン出てるし、監督役(?)誰か知らんけど風貌がキューブリッ>>続きを読む

地下の民(1988年製作の映画)

3.6

インディオである自らのアイデンティティを捨て帝国主義に迎合し資本主義に魂を売り渡した青年が死刑宣告同様の扱いを受け追放された生まれ故郷に今一度舞い戻り、贖罪の為に今は廃れてしまった伝統である死の踊りを>>続きを読む

エンディングノート(2011年製作の映画)

4.0

就活を一切しなかった人生なのでせめていい加減終活を始めねばと参考資料にでもなればと思い観てみたが、幸せな人生の幸せな結末過ぎて1ミリも参考にならなくて改めて自分の人生に絶望した、そう意味では泣いたが後>>続きを読む

愛獣 赤い唇(1981年製作の映画)

3.1

殺しの罪を被り5年の刑期を終え娑婆に出て来た泉じゅんが安住の地を求め彷徨うものの元いたヤクザな世界と人間関係がそれを許さず…とほぼ『すばらしき世界』状態、しかも彼女に罪を着せたのが愛し合っていた筈の男>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

シン・エヴァ同様ただただ途方も無い労力を労うだけの作品になってしまったらどうしようと不安の方が大きかったが全くの杞憂だった。まるで弐瓶勉の世界観に林田球のグロテスクを加え、かつそこに『エイリアン』と『>>続きを読む

本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

4.4

乗りかかった船が泥舟である事に気付いても最後まで自らの意思で降りることが出来なかった男、99%の善意と1%の下心、ただその比率は時と共に移ろい続け、遂に下心が善意を超越した時に彼は船に見放され一人で沈>>続きを読む

棒の哀しみ(1994年製作の映画)

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自分で広げた傷口を自分で縫い合わせ生きながらえる人生。ぶつくさと止まらぬ不平不満、それこそが生きる糧でもあるし、自分だけは正しい人間だと思っている。と、ここまでが身に覚えしかなく死にそうになったが、オ>>続きを読む

エイトメン・アウト(1988年製作の映画)

3.0

流石に地味過ぎて「へぇ」くらいの感想しか出ん。お馴染みの「嘘だと言ってよジョー!」をやりたかったのかもしれんが、それすら捏造らしいし。ある問題が起きたらば表面的に解決(排除)するだけでなくその根本の部>>続きを読む

日本暴行暗黒史 異常者の血(1967年製作の映画)

3.0

よく言えば中上健次的な何か。この国に高貴な血筋があるならば、同時に下賤の血筋もあるやらなんならのお話。百発百中でその血が現代にまで受け継がれていって、最終的にKO大学のおちんぽ野郎みたいに成り下がった>>続きを読む

ダイアモンドは傷つかない(1982年製作の映画)

3.5

1982年『ダイアモンドは傷つかない』、2012年『アイ・ウェウェイは謝らない』、そして2020年『岸辺露伴は動かない』、と並べてみたが当然なんの関係性もない。清く正しくオッサンキモキモファンタジーで>>続きを読む

王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987年製作の映画)

4.1

ただただ現実的な話で、異世界と言いつつ現実世界の話で、とは言えこの先にあるのは「人類が、増え過ぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に、半世紀が過ぎていた。地球の周りの巨大な人工都市は、人類の第二>>続きを読む

ラブハンター 熱い肌(1972年製作の映画)

3.6

柴田恭兵「関係ないね」、田中真理「関係ないわ」。奇怪ロマンポルノ過ぎていちいち爆笑なんだけど、本気でロブ=グリエ目指してそう。カーSEXの最中にサイドブレーキ解除しちゃうとこ、どう考えても即死する様な>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

2.5

マクドーマンドがマクド行かんとお手製サンドイッチばかり頬張ったり挙句パチモンみたいなバーガーショップで働く姿を通して社会の窓を覗き込み資本主義の向こう側を目指すノマドとしての生き方を…的な事をとりあえ>>続きを読む

きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020年製作の映画)

1.5

よく言えば貸本漫画っぽい、もっとよく言えば70年代あたりのガロっぽいのだけど、別に面白くはない。ネトウヨ批判なのかな?確かに今の日本の現状ってこんな感じだろうなとも思うが、別に面白くない。それこそガロ>>続きを読む

ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

2.0

上手い映画なんだろうと思うが全く好きにはなれない、二回目観ても結果は同じだった。Facebookって同窓会で会う予定の同級生となんやかんやでおせっせに持ち込む簡略化ツールくらい(偏っている)にしか思っ>>続きを読む

東京原発(2002年製作の映画)

4.0

おそらく15年ぶりくらい、当時はよく出来たシチュエーションコメディくらいの印象しかなかったが、安全神話が脆くも崩れ去った今となっては180度評価が変わる。この映画が全て正しいとも思わないが『太陽を盗ん>>続きを読む

無言日記2015(2015年製作の映画)

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2014に比べるといささか意図的なショットが増えた様な、おそらくこの辺りから三宅唱はゴリゴリに売れ始めたんじゃないかって気がする(海外増えてるし)。2016に至っては終盤めちゃくちゃ喋り出すし、最後も>>続きを読む

無言日記/201466(2014年製作の映画)

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反射神経なのか察知能力なのか、事故一歩手前の交差点とか既にひしゃげた初心者マークとか。新宿、渋谷、吉祥寺、ほどほどにチャラい生活様式。こう言うの観るとつくづく自分の人生にはカメラを回すべき瞬間が無いな>>続きを読む

覗かれた情事(1972年製作の映画)

4.2

旦那のキャラが吉行淳之介感出てた。妻には自身の創作物を読ませない事にしており、そのある種の抑圧から生まれる妄想世界の虚構が彼の筆を走らせている。しかし妻が彼の虚構の世界に触れ、自らの現実をもってその虚>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

4.3

「ツィゴイネルワイゼン」と「凄い寝るパイセン」で踏めるなとか思ったらちょうど7年前に呟いてる人がいて、俺如きが生み出せる駄洒落など既にこの世に全て吐き尽くされている事を悟り心底絶望した(なんの話?)。>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.0

Filmarksオンライン試写。

結局何が言いたいのかやりたいのかよく分からない作品だしキャラのポイ捨てが酷いと思うが、人間は何に対して金を払うのか?って事の追求の様な気もするし、なんなら我らどうで
>>続きを読む

メトロポリス(2001年製作の映画)

3.6

すっかりじゃない方の感が出て来てしまったりんたろうのおそらく傑作と呼ぶべき一作なのだろうが、どうもマッドハウスの最強作画にキャラとストーリーが付いてきて無いと言うか、尚の事声の覇気の無さが酷いと言うか>>続きを読む

カサノバ(1976年製作の映画)

3.5

凄い馬鹿だけど全然嫌いになれない戸惑い。基本意味は分からないが大人の絵本と言うか大人の仮装大賞みたいなコテコテの画面が続くから観てるだけで面白いし、若い頃はブイブイ言わせてた性豪おっさんがジジイになっ>>続きを読む

山谷 やられたらやり返せ(1986年製作の映画)

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基本皆様呂律が回ってない上にマイクやらメガホンやら通しているので何言ってんのか分からん状況がまぁまぁ続くが、彼等が求めている事が何かと言えば「普通に働いて普通に金稼いで普通に暮らしたい」って言う普通の>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

1.0

キモキモおっさんファンタジールッキズム礼賛学歴差別禁煙ファシズムストーカー及び不倫推奨ムービー、最終的に「冗談のつもりだった」で落とす電通スタイル、普通は普通で辛いんですよ…ってんならお前らが築き上げ>>続きを読む

かげを拾う(2021年製作の映画)

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例の如く何かしらの説明が入る訳でもなく奇怪なおっさんがなんか知らんがゴミ拾ってボソボソ喋りながらなんか作っとる…が続いていくのだが、最後の最後、見事に「復活」を遂げた対象にこびりついているであろう震災>>続きを読む

Share the Pain(2019年製作の映画)

2.5

まぁ俺みたいな童貞がどうこう言う話でも無いのだが…。まず単純にこれを観てホモセクシャルの方々がどうお感じになるかとの重大な懸念が一つ、同時に稲垣足穂読者としてはA感覚をただの懲罰的立ち位置に置く事にも>>続きを読む

地の群れ(1970年製作の映画)

4.5

「日本人なら」なんてフレーズが飛び出してくる度に「日本人」とは何かとの問いにぶち当たるが、自分が思う「日本人」の姿はまさにこれであるし、こう言う作品を気持ちよくスルーして行くのもまた「日本人」らしい姿>>続きを読む

人生、ここにあり!(2008年製作の映画)

2.5

普通過ぎてなんの感想も無い。適度な睡眠、適度な食事、適度な仕事、適度な性欲、そして適切な収入、某セラピー映画同様鬱抜け映画としては正しい方法論、ただこれもあくまで映画、綺麗な事しか描かないしその中にス>>続きを読む

息の跡(2015年製作の映画)

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冒頭の「金稼げるんか?」→「稼げる様になります」「結婚して終わりだべ?」「終わらないっ!!!」のやり取りで既に掴まれたが、スーパー復興おじさん佐藤さんの強烈な個性及びバイタリティ、洋画の吹き替えして欲>>続きを読む

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

2.0

冒頭の老けメイクを観てめちゃくちゃ激動の時代駆け抜けそうとか思ったら案の定過ぎて草すら生えない。エンタメとしては優れているのだろうしこう言うのがウケるんだろうってのも分かるし正しい予算の使い方をしてい>>続きを読む

受取人不明(2001年製作の映画)

3.3

韓国版の『キクとイサム』の様な話か?と思いつつ観ていたら犬神家になってて爆笑した、犬の肉売ってるからってあの仕打ちは酷い(笑)直接的なテーマは朝鮮戦争がもたらした38度線以上の爪痕みたいなところか、真>>続きを読む

悪い男(2001年製作の映画)

3.5

序盤は単なるギドク自身のドキュメンタリーだろうから吐いたゲロ飲み込みながらなんとか観たけど、中盤以降は単なるツンデレ海老蔵パリテキサスで最終的にクロちゃんだったから爆笑してしまった。まぁ分からなくも無>>続きを読む

二重のまち/交代地のうたを編む(2019年製作の映画)

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「あの」とか「なんか」とか「とか」とかでぼかされていく記憶の輪郭、それ自体が非当事者が当事者の記憶を語り継ぐ事の困難を物語っていると思うが、ではその行為自体が不必要かと言われれば確実に否、100あるも>>続きを読む