菩薩さんの映画レビュー・感想・評価 - 40ページ目

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

4.2

なんだかんだと観るのは3回目で今更何を学ぶでも無いが、よくよく考えると森恒夫の殴って気絶して復活したら革命戦士!死んだら負け!って理論が、HUNTER×HUNTERの蟻編の奴等の念能力獲得手段と同じで>>続きを読む

光る女(1987年製作の映画)

3.6

確か5年前くらいにフィルセンでかかった時に休みだったのに京橋まで行くのダルい…との理由だけで行かなかったら後々後悔し過ぎてゲロ吐きそうになったのでようやく観られて感慨深い物があるが、予想以上に怪作で珍>>続きを読む

春江水暖~しゅんこうすいだん(2019年製作の映画)

3.5

ビー・ガンに続く中華系すやぁ〜ムービーの新たな旗手として一部映画ファンの熱視線を浴びているであろう若き才能にして、個人的にはタイトルの漢字の並び順一生覚えられないよ枠優勝候補。予想に反し計2分ほどの微>>続きを読む

みんな夢でありました(2009年製作の映画)

5.0

クソホモソ偏差値2キモ童貞オナニー映画なので女性及び男性でも心に童貞を飼っていない場合は完全にスルー推奨なのだが、端的に言うと『花束みたいな自慰をした』であるし、リリィ・シュシュとカンパニー松尾の融合>>続きを読む

Playback(2012年製作の映画)

4.4

よく分からない作品に出会った時はなんとしてでもそのハテナを解き明かしたいと躍起になるタイプであるが、これはその朧げな輪郭をそのまま愛したいとの謎の欲求に駆られている。過去と未来との接地点にあたる現在に>>続きを読む

ドコニモイケナイ(2011年製作の映画)

4.5

どえらい物を観たなって言うのが率直な感想だが、よくよく考えれば従姉妹にそっくりだわと冷静になった。2000年前後の時代性と渋谷って街の功罪を記録した優秀なドキュメンタリーだと思うし、人間が壊れる瞬間の>>続きを読む

(1971年製作の映画)

3.9

童貞なのでよく分かった。禁断の恋を重ねる二人の間を健気な蜜蜂の様に飛び回る青二才は、それによって出来上がる蜂蜜が毒を含む物である事をまだ知らない。ブルジョワ社会に終焉を齎す外部からの闖入者、って訳でも>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

2.5

『男はつらいよ』と『免許がない!』と『シャブ極道』のミックスムービー。『シャブ極道』ではシャブをしゃぶしゃぶにかけてシャブしゃぶしゃぶや〜!でお馴染みの役所広司であるが、本作ではしゃぶしゃぶの代わりに>>続きを読む

エンパイア レコード(1995年製作の映画)

3.5

限りなく躁鬱状態が続くなかなかの恐怖。ストーリーはあってない様なものだが、一応大手レコード店に買収されそうな小規模レコード店を救え!文化の多様性を守れ!みたいなベースだけあって、後はそこで働く何かしら>>続きを読む

ジャン・ルノワールのトニ(1935年製作の映画)

3.4

いやほんトニ…いつの時代も人生を破滅に追いやる二大要素は痴情のもつれと金銭トラブル、しかも財産分与のそれってのはど定番中のど定番で、何一つ気持ちいい話ではないのだが、背中を巡るエロスなやり取りのお陰で>>続きを読む

黄金の馬車(1953年製作の映画)

2.0

衣装と美術が綺麗でセットが凄い、あとアンナ・マニャーニの乳がデカい以上の感想が浮かんで来ないので困惑しているが、もう一度観る体力も気力も残されていないので素直にハマらなかったと言う事で処理しておく。強>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

2.0

全く分からなかったがどちらかと言えばかなり否定的な立場。子供を出してりゃ良いってもんでもなかろうし、最後までこの作品の意図がまるで掴めずに終わった。いやまぁ「人生は他者だ」の一言に集約されるのだろうが>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

4.4

イマジネーションと現実の融合とをテーマに掲げ作品を作り上げて来た今敏が行き着いた今敏自身の居場所の再認識であり、この先についぞ実現しなかった(今後もしないであろう)「夢見る子供達(機械)」があった事を>>続きを読む

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

4.0

リリイ・シュシュ前年の最強デストルドームービー。病める者にはただのセラピーでしかないし、そうでない者には単なるホラーにしか思えないかもしれないが、何が面白いって彼女の誕生日である「12月7日」がこの作>>続きを読む

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

4.3

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が封切られた1997年7月19日、新宿ミラノ座をはじめ全国の劇場では詰めかけた多くの観客が庵野秀明から「気持ち悪い」の一言を浴びている最中であ>>続きを読む

カットスロート・ナイン(1972年製作の映画)

3.0

皆が口を揃えて『ヘイトフル・エイト』の元ネタだと書いておられるのでおそらくそう言うルールなのだろう、この作品何を隠そう『ヘイトフル・エイト』の元ネタである。と言っても共通点はと言えば、雪山、小屋、ムサ>>続きを読む

ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年製作の映画)

4.0

童貞なのでよく分からなかった。とてもエッチで良かったんだと思うが、鑑賞中得体の知れない感情が沸々と湧き上がって来た、おそらく名前をつけるならば「殺意」と言う奴だろうが、ニシノユキヒコは初っ端で死ぬから>>続きを読む

霊魂の不滅(1920年製作の映画)

-

アマプラで観たら思った以上に字幕がエキサイトしててなんのこっちゃであったが、まぁサイレントだし画だけ観てりゃそれなりに理解出来るって事で良しとした。善良な一般市民が呑んだくれのクソ野郎から変な菌貰って>>続きを読む

ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

3.0

ワシくらいの年齢になるとこの映画で泣けるか泣けないかで人間性を測られる学生時代を送った者は少なくない様な気がするが、この映画で泣けない派は泣ける派によって迫害されると言う現象を生んでしまったのがなんと>>続きを読む

ゾンビ/ディレクターズカット完全版(1978年製作の映画)

4.2

何一つ笑い事では無いがとは言え恐ろしくもなく、なんならこれに近しい状況に普段から遭遇し続けている様な気がするが、俺もゾンビに噛まれたら彼等と同じ様に、生前の習慣に基づいてふらふらっとミニシアターに集っ>>続きを読む

東京干潟(2019年製作の映画)

4.5

本当に優しい人の姿ってただそれだけで涙が出るし、何よりも美しい。90歳近いとは思えない逞しい腕の筋肉、自らが生きる為に、そして自分の食を切り詰めてまで可愛がる多くの猫達(しかもめちゃくちゃふくふくして>>続きを読む

蟹の惑星(2019年製作の映画)

4.0

最近何やら「クラブハウス」なるものが流行っていると聞く。わしゃてっきりプロレタリア文学の再興か!と、ついでに葉山嘉樹『セメント樽の中の手紙』らへんも流行ればいいのに!なんて思ったが、どうやらそうではな>>続きを読む

墨東綺譚(1992年製作の映画)

3.5

俺はこれを小四くらいの時にテレビでドキドキしながら観ている、おおよそ四半世紀ぶりの再会。以前にも何処かで書いたが少年期の我が性的覚醒に大いに影響を与えた映画が3本あり、それが『吉原炎上』と『エマニエル>>続きを読む

トラス・オス・モンテス(1976年製作の映画)

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トラス・オス・モンテスがようやく観られる!と思ったら間違えてマルデ・イミ・ワカランスを観てしまった様でまるで意味が分からなかったが、そりゃペドロ・コスタがあぁなるわってのだけは思ったし、オリヴェイラ→>>続きを読む

いちごブロンド(1941年製作の映画)

4.1

この世には一般男性と呼称される一般男性と一般男性と呼称される一般男性で無い者とがおり、一般男性と呼称される一般男性は一般男性と呼称される一般男性で無い者が高嶺の花を手中に収めるたびに一般男性で括るのや>>続きを読む

コルチャック先生(1990年製作の映画)

4.0

大人の権利すら簡単に蹂躙される時代の最中にあって、最後まで子供の権利を守る為に奮闘し、彼等と共に儚き命を散らしたコルチャック先生。映画としてはまぁ…正直普通なのだが、ワイダの作品類で、かつ実在の人物像>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.5

顔面が端正に整った男女しか生存を許されない架空の惑星を舞台にしたSFファンタジーラブストーリーなので別に良いのだが、何故だがメンタルはバキバキに砕かれたし、尚且つそれをすり鉢で丁寧にすり潰し小麦粉・卵>>続きを読む

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.8

クリスちゃんは心配症×叔父さんのひとりでできるもん。過去にどデカい悲劇を経験し、己の人生を自由に羽ばたく事をやめたクリスちゃん、この悲劇の入れ方がなんともデンマーク映画だなと思うが、彼女にとっては悔い>>続きを読む

天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.0

過去作からのセルフオマージュが多々見受けられながらも、暴動の記憶も新しいパリを舞台の一つに選んだ意義は汲み取らねばならないし、一貫して対立では融和を説く穏やかな語り口はここに来ても健在、もはや「懇願」>>続きを読む

男たちの挽歌 II(1987年製作の映画)

3.5

清く正しく「思いの外前作がヒットした物でご要望にお応えして続編作ってみました」で感動したし、一作目で主役格殺してしまった場合の対処法としての「実は双子でした」は間違いなく正しい、ロックオン・ストラトス>>続きを読む

男たちの挽歌(1986年製作の映画)

3.0

ずっとダイジェスト観てるんじゃないかと不安になるくらい異常に展開が早い。内容に反して随分と劇伴がペニャい。チョウ・ユンファは確かに川島省吾だけども、若干城島とバッテリー組んでた頃の工藤にも見える。日に>>続きを読む

バックドラフト(1991年製作の映画)

3.3

多くの現役白バイ隊員が幼少期に祖父母の家でこたつに入りながら観た箱根駅伝のランナーを先導する彼等の姿に憧れを抱きその道を志すのと同様に、多くの現役消防士は幼少期にこの映画を観て大人になったら俺も立派な>>続きを読む

忘れたフリをして(2020年製作の映画)

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そうなる前の自分にそうなった後の自分は戻れないのを知っているから、変わらずそこにあるものに対しても憧れはどうしたって強い。あわよくば皆が幸せに、なれっこ無いとは知りつつ、幸せそうな人を見ると少しだけ寂>>続きを読む

静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.6

加害者の男性は良くも悪くも几帳面なのだろう。いざ犯行に及ぶその直前、今日で自分の命をも絶つ事を決意していると言うのにきちんとシーツを整えしっかりと皿を洗い、本来であれば男性たる象徴である筈の髭までも剃>>続きを読む

ふたつの時、ふたりの時間(2001年製作の映画)

3.8

大胆な『大人は判ってくれない』の引用にジャン=ピエール・レオーのちょい役出演、『緑色の部屋』を思わせる故人の思い出を詰め込み外部からの干渉を遮断した部屋に立て篭もるシャオカンのオカンと蝋燭光源のみの撮>>続きを読む

プレタポルテ(1994年製作の映画)

4.0

豪華絢爛なファションの祭典もアルトマンの性格の悪さにかかれば単なる見世物と化す。煌びやかな衣装に身を包む関係者達を文字通り「丸裸」にし、言うてもこいつらSEXがしたいだけの穴兄弟やし、服言うてもたかだ>>続きを読む