実在したシリアルキラー、ヘンリー•リー•ルーカスをモデルにした映画。
まず最初のシークエンスが凄い。ヘンリーが単に車で移動している所とヘンリーが殺した後の死体を交互に見せていく。また、死体を見せながらそこに殺す時のボイスを被せることで直接映像で見せずに殺害現場を観客に想像させている。映画としての表現の面白さはここがピークだった。
映画は、その後ヘンリーの相棒オーティスと妹ベッキーの三角関係のようなものになっていくが、どちらかというと彼ら3人の関係性によるサスペンスになっていく。この辺りではオーティスの方がサイコに見えてしまう部分があり(ストーリーを進めるためヘンリーに幼少期のトラウマを喋らせていることで狂気に合理的な説明を与えてしまっている)、ややトーンダウンする。
それでもやはり、「タクシードライバー」や「レイジングブル」の時のロバートデニーロみたいな「画面に映るだけで緊張感が滲み出る」ヘンリー役のマイケルルーカーの演技は素晴らしい。
