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摩天楼を夢みてのArxのレビュー・感想・評価

摩天楼を夢みて(1992年製作の映画)
4.1
半沢直樹みたいだなと思ったが、この作品は資本主義社会での競争における虚しさを描いているところがいい。オフィス以外の舞台が殆ど無く、車で移動するシーンさえも外の景色が見えないことからもウンザリするようなセールスの仕事を永遠と狭い部屋で繰り返さざるを得ないビジネスマンの視野や世界の狭さを表現している。

セールス不振に悩む不動産会社の営業所へ本社からモチベーターがやってくる。「お前が乗ってるのはヒュンダイの大衆車だ。俺が乗ってるのは8万ドルのBMWだ。それが俺の名前だ!」と現代における男の価値を表現した名セリフを含みつつ、恫喝まがいの説教をしながら、売り上げで3位以下の者はクビだと宣告する。

4人にセールスマン達の演技も素晴らしいのだが、個人的には管理職役のケビンスペーシーが一番気に入っている。
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