三樹夫さんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

少女の捜索で島を訪れた堅物クリスチャン警官が経験する「ミノタウロスの皿」のような価値観転倒の世界で、その島では本来隠匿するべき性的なものが明け広げにされている。そこにクリスチャンかつ警官の主人公を置く>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.8

地球は汚染され、人類は地下開発を目指し、労働力として人工生命体を創造した。しかし人工生命体が人類に反乱を起こし地下世界を乗っ取った。それから1600年後、人類は遺伝子操作(つーか義体化)により永遠とも>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

エヴァ完結。やっと終わったというか、シンエヴァでやったことって旧エヴァとやったこととあまり変わらないというか、暗黒世界だった旧劇と比べて精神が小康状態だったというのあるけど、TV版ラスト2話と『Air>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.0

新エヴァ完結したみたいなことを聞いて、それならシンエヴァ観に行こうと思ったので予習で視聴。なんかZガンダムみたいになっとる。バトル:1、BL:4、鬱:5の映画。破から14年経ったってことだけど、作中の>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

3.4

新エヴァ完結したみたいなことを聞いて、それならシンエヴァ観に行こうと思ったので復習で再視聴。新エヴァはここまでは観たことあって、童謡が流れて超絶冷めてQは観る起きなかった(シンエヴァ観に行くために今回>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.3

新エヴァ完結したみたいなことを聞いて、それならシンエヴァ観に行こうと思ったので復習で再視聴。ストーリーはTV版第六話の対ラミエル戦まで。TV版とそんな変わらんし、約100分にまとめるために間が詰まって>>続きを読む

バットマン フォーエヴァー(1995年製作の映画)

3.9

バットマンシリーズ3作目で主役がマイケル・キートンからヴァル・キルマー、そして監督がティム・バートンからジョエル・シュマッカーに交代し、その結果どうなったかというと前2作のゴシック風な雰囲気から、原色>>続きを読む

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

2.3

細かいことは気にすんなという制作側の声が聞こえるけど、細かいことは気にすんな精神でこんな中途半端なもん出来ちゃったらもはやダサい。まず何がしたかったんだろうという。ドンパチというか、ほとんどダニエル・>>続きを読む

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

金に困った人間たちの貪り合い。この構成を見よという感じの映画で、DVホステス、借金役人、バイトおじさんがどういう風に一つにまとまるのか構成の妙を見せるタイプねと思っていたら、この三者三様が同時進行で描>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

4.0

筋肉達磨ヤクザ組長とチンピラ刑事が手を組んでサイコ殺人鬼を追うという、面白具材をぶち込みまくった韓国寄せ鍋エンタメ映画。当然、筋肉達磨にキャスティングされているのはマ・ドンソク。
日々多忙を極めるヤク
>>続きを読む

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.0

宝石商が仕入れたエチオピアのオパールで大金を得ようとするが、クズというかダメ人間というかバカというか、借金を元手に借金するような男が主人公なため物事が全く上手く進まない。主人公は何か金になりそうなもの>>続きを読む

徳川いれずみ師 責め地獄(1969年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

石井輝男の放つ異常の世界。石井輝男が好きなサディズムが96分続き、物語構成が入り組んでいてというのもあるけど、正直ストーリーが頭に入ってこない。貞操帯を付けられた女の何故貞操帯を付けられたのかという過>>続きを読む

オペラ座 血の喝采 完全版(1988年製作の映画)

3.7

美少女がなんか知らんけどひたすらひどい目にあうという、アルジェントお得意のホラーサディズムアイドル映画。話って言うか、犯人の動機なるものはほぼ分からんが、殺人描写のビジュアルショックが突出しているので>>続きを読む

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

停職くらった警官が、金塊を強奪した奴らから金塊を強奪しようとする話。超絶殺伐とした世界で、鬱状態なぐらい。BGMは無くカーステレオ以外からは音楽は流れない。基本カメラはフィックスで、カット割りも細かく>>続きを読む

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.8

製作されずに終わった幻の映画は数多くあり、その中でも指折りの観てぇ度を誇るのがホドロフスキーが作ろうとしていたDUNEだ。脚本できてコンテもできてスタッフ集めて、後は映画会社のGOサインが出ればという>>続きを読む

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

3.8

レスラー弟、レスラー兄、金持ちのおっさんの三人をメインに話が進む。もっと正確に言えばレスラー弟と金持ちのおっさんの暗黒空虚コンビがメイン。レスラー弟は、人望がありいつも人が周りにいる兄へのコンプレック>>続きを読む

ザ・ハント(2020年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

リベラルエリートがトランプ支持者を人間狩りするという映画。事の発端は、トランプ支持者が、リベラルエリートが領地内で我々のような人間を人間狩りしてるというデマを流して、ならそのデマを現実にしてお前らをぶ>>続きを読む

ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

3.2

家の中に殺人トラップをしこたま仕掛けて次々人を殺していくのがメインと言い切る。女の子を殺されたランボーの復讐がメインなのかもしれないし、開始から1時間はそんな話が続くのだが、正直あらすじだけ聞いてここ>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

半地下に住む貧乏家族が丘の上に住む金持ち一家の家を乗っ取っていくという、分かりやすまでの階層の視覚表現がなされている。ただこの貧乏一家というのが、息子はふりとはいえ英語の家庭教師が務まるくらいで、娘も>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

監督の前作『ヘレディタリー/継承』はホラーというフォーマットで自身の家族関係の傷を映像として出したものだったが、今作でも自身の傷を映像として出す、一種のセラピーのような映画になっている。主人公は女だが>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

社会学的考察みたいな映画で、何故ジョーカーが生まれたのかというと、ジョーカーはこの荒んだ社会が生み出したのだという、そんな結論へと帰結。アメコミ映画なのにヒーロー出てこないじゃんと思わせておいて、ジョ>>続きを読む

白熱(1949年製作の映画)

4.1

見た目とっちゃん坊やの中年小男ギャングがとにかく人を(たとえ仲間でも)パンパン殺すだけでなく、マザコン、偏頭痛の発作持ちという主人公だけですでに盛りに盛られた要素。さらに列車強盗で奪われた金の行方を掴>>続きを読む

地獄の英雄(1951年製作の映画)

4.0

問題を起こして数々の新聞社を追い出された主人公は田舎の小さな新聞社に腰掛けで雇われるが、何の大きな事件も起こらず、もう一度這い上がるチャンスが到来しないまま1年が経過。編集長から蛇狩りの取材をして来い>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.2

ローズはさらっとリストラ(左遷という方が的確か)。EP8でフィンといい感じな関係に描かれていたけど、それもなかったことに。完全にジャージャールートへと突入。ローズに関してはこの映画を観ていて結局何だっ>>続きを読む

深夜の告白(1944年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

保険のセールスマンの男が人妻に惚れて、旦那殺しに加担するという、お手本のようなフィルム・ノワール作品。同監督作の『サンセット大通り』を彷彿とさせる、何でこうなったのかという、主人公の語りによる回想で話>>続きを読む

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

殺人ピエロ主催の趣向をこらした(基本的にモンスターをぶつけてビビらせてやろう)同窓会&トラウマカウンセリング。結果的に殺人ピエロのおっさん、ルーザーズの面々を助けてんじゃん。そして前作に引き続き相変わ>>続きを読む

ロケットマン(2019年製作の映画)

3.9

ものすごい苦しんでいるのに、誰にも理解してもらえない。しかもわかりやすいぐらいに、自分は苦しんでいるというのを歌にしているのに分かってもらえない。むしろ、悩みごとなんか一つもない人間に思われる。拍車を>>続きを読む

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

狂った男二人が襲撃。少女が凄惨な目に合う。特に大男が主人公をボコボコにしているシーンが、現実の男から女へのDVを想起させるような陰鬱さを感じさせ『マーターズ』を思い出したが、何のことはない『マーターズ>>続きを読む

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

4.0

満たされない空っぽの消費活動の行きつく先は殺人。舞台は80年代後半のアメリカ。すべてをブランドで固めた主人公は何をやっても満たされない。それも当然で主人公は空っぽだし、消費しているものも勝ち組的な、イ>>続きを読む

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

北朝鮮の核兵器を把握するために、韓国は黒金星というコードネームの諜報員を送り出したというスパイもの。北朝鮮で広告を撮るという事業家に扮した主人公は金正日に謁見するほどにまで北朝鮮内部に入り込む。主人公>>続きを読む

サンダーボルト(1974年製作の映画)

3.8

この映画は、おっさんと若者のロードムービー→おっさん青春もの→銀行強盗→おっさんと若者のロードムービー→ニューシネマ的ラストという変節をたどる。
冒頭、どうやら昔の仲間に追われているイーストウッドは、
>>続きを読む

ビハインド・ザ・カーブ -地球平面説-(2018年製作の映画)

3.8

地球平面説を信じる人たちと、彼らの解説役として科学者が登場する。このドキュメンタリーで描かれるのは、地球平面説を信じる人たちの心理分析というか、何故地球平面説を信じるに至ったのかということと、何故地球>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.0

子供に遊ばれないおもちゃというのが今回のメインで、アンディからボニーに譲り受けられたウッディは、ボニーのおもちゃ一軍から漏れて遊ばれず、クローゼットで待機の日々が続く。幼稚園に行ったボニーが自作のおも>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

君にはすべてを捨てても会いたい人がいるのか、とこの映画は投げかける。何もかにもよりその人が大事なので、東京が水没しようがその人を選択する。指さし笑われながらも線路をひたすらに走っていたのは、たとえ他人>>続きを読む

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

3.1

この映画はアパートの一室で基本話が進むというのでオリジナル(1988年)に立脚するが、ラストは『悪魔のいけにえ2』になる。主人公グループが『悪魔のいけにえ2』を観ているシーンがあるが、あれは参考文献紹>>続きを読む

Girl/ガール(2018年製作の映画)

3.8

トランスジェンダーの男の子が女としてバレエ学校に入学し、学校側並びに同級生も一応女として主人公を受け入れる。主人公は、見た目は完全に女の子で、声も、男の役者が演じているということをあらかじめ知っていれ>>続きを読む