蛇らいさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.3

2015年から2020年辺りを代弁する恋愛映画が日本に存在しなかった現時点に、一気にそれを引き受けて、ひとつの大きな楔を打ったような一本。現在に生きる二十代の感性であり、社会性であり、カルチャーが、紛>>続きを読む

呪怨2(2003年製作の映画)

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天井に広がって引っ付いて頑張ってる伽耶子かっこいいけど、いかんせん物語がどうでもよくなっちゃう。

ブリス ~たどり着く世界~(2021年製作の映画)

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説明、説明、説明。

おじさんとおばさんの鈍臭いアクションにもテンションが下がる。

ニューヨーク 親切なロシア料理店(2019年製作の映画)

3.2

ゾーイ・カザンのファンなので迷うことなく視聴。

現代社会が孕む既存の問題を要所でキャラクターとして具現化する。困窮する現実に抗う術は人間の中にある、他者を思いやる心にしかないと、逆説的に言い切るシビ
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

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テリー・ギリアム監督作品初見。

タイトルバックがかっこよく、耳馴染みのあるテーマ曲、ブルース・ウィリスとブラッド・ピットというキャッチーな構成。そこに乗っかるテリー・ギリアムの強烈な作家性で推進する
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世界の中心で、愛をさけぶ(2004年製作の映画)

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脚本を坂本裕二以外が書いていたら、見るに堪えない映画になっていたと容易に予想できる。

ペンギンが教えてくれたこと(2020年製作の映画)

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ナオミ・ワッツもさることながら、子どもたちの演技も良い。

結局動物って偉大。

時の面影(2021年製作の映画)

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撮影監督は大きなガーデニングを舞台にした『マイ ビューティフル ガーデン』のマイク・エリー。イギリスの自然の豊かさを凛とした映像として捕らえる。

遺跡の発掘調査を引き合いに、その時を生きた事実は未来
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さんかく窓の外側は夜(2021年製作の映画)

2.5

主要キャストの3人を捕まえられた時点で、一定のクオリティとでかいスクリーンで映したときの耐性は担保されている。さらに、使い分けのはっきりとした照明、イメージが一貫された衣装なども功を奏している。

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おじいちゃん、死んじゃったって。(2017年製作の映画)

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広告出身監督の悪い部分てんこ盛り映画。

短い尺で要約する能力には長けているのだろうが、その分せわしないカメラワークと編集が続く。落ち着きがない。真面目なシーンと緩いシーンの緩急とメリハリがなく、恒常
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若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

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このキャラクターデザイン、児童文学原作で、日本屈指のアニメーション表現と完成されたストーリー。お金持ちなのにわざわざ小さな大衆車のFIATを乗り回すルパン三世の小気味良さとも通ずる。

メガネのレンズ
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ザ・ホワイトタイガー(2021年製作の映画)

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檻から出たようでまた檻に入っていく逃げ場のなさに打ちひしがれる。

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

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アニメーション表現の楽しさ、斬新さ、リアリティ、ユーモアを丸ごとアップデートし、極めてリリカルにまとめ上げられた傑作。去年に観ていたらトップ10には入れていたであろう一本。映画館での没入感も意図した演>>続きを読む

ルパン三世 血の刻印 ~永遠のMermaid~(2011年製作の映画)

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キャラクターデザイン・作画監督に『となりのトトロ』『キテレツ大百科』でも作画監督をしている佐藤好春を抜擢。安定感と滑らかな動きをする作画で動くルパンファミリーに、多幸感を得ることができる。

TVSP
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タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

2.8

泥沼の中で汚れながらも人生を諦めない人たちの物語であるように感じる。戻れない、直らない、足りない世界で、無理矢理こしらえた口実を食いつなぐ日々が鈍く輝いていた。

どん底の社会でも平然とのさばるヒエラ
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あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)

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同日にDisney+で配信開始した『ワンダ・ヴィジョン』の影に隠れてあまり話題になっていないが、注目作なのは確かだ。

マルコムX、サム・クック、ジム・ブラウン、モハメド・アリがモーテルの一部屋に集結
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.2

大九作品は観ていて気疲れしないのがとても良い。編集のテンポも心地いいし、撮影の安定感もある。さらにはチャレンジングな演出で作劇の茶番化を上手く避けている。

大九作品の魅力と言えば、丁寧に描かれる生活
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夜、逃げる(2016年製作の映画)

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シーンを一つ一つそこに置いただけって感じ。物語の中に時間の経過を感じない。ラストのシーンを中盤に持ってきても違和感のない構成。

新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.3

2021年。景気の良い本作で新年一発目。でもよくよく考えると最低でも3月までは大作の公開はないし、公開本数も配信に流れて減るとなると今年が1番映画館に行けないかもしれない。

前作『新感染 ファイナル
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

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会話劇の映画かと思いきやそんなことはなく、セリフなしでとことんコンセプチュアルに魅せるシーンもある。

キャリア的な文脈で見たときのアウェイの地で活躍するブルース・ウィリスがすごい好き。『ムーンライズ
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ただいま、ジャクリーン(2013年製作の映画)

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脚本の脆弱さを高い演出力と編集でなんとか押し切っている。逆に言うと押し切る力がある。

いっこく堂登場で笑うのがピーク。

私というパズル(2020年製作の映画)

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出産シーンのワンカット長回しが、来たる最悪な結末に向けて刻々と迫る。緊張感がもたらすスリル、主観と客観が交錯し浮かび上がるホラー性が居心地の悪さを倍増させていく。

ひとつひとつ手探りで何かを拾うよう
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.0

昨年の映画納め。

2020年映画ベストテンです。
①『ストーリー・オブ・マイライフ/わたし の若草物語』
②『レ・ミゼラブル』
③『フォードvsフェラーリ』
④『ジュディ 虹の彼方に』
⑤『191
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

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改めてすごいなと管を巻いた。

映画好きのみならず、年一回も映画館に足を運ばないような人々を誘い込み、クオリティの高い大衆性の中にしっかりと社会風刺盛り込まれている。それらは南北の分断にまで至る。国内
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ソウル・ステーション パンデミック(2016年製作の映画)

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2021年お家映画一本目。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』『新感染半島 ファイナル・ステージ』の前日譚に当たるアニメーション作品。

アニメーションも手中に収めるヨン・サンホ監督。実写とアニメ
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

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希望と絶望、私とあなた、味方と敵、そこから少し距離を置いてみない?という提案。我々が綺麗事、幻想だと固執し逃げてきた、相手を知ろうとする試みをこれほどまでにこの映画は手解きをする。

見たくなかったも
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魔女がいっぱい(2020年製作の映画)

3.6

映画としてシンプルにおもしろいという点では、ゼメキスクオリティに頭が下がる。ここぞというときのショットの強さは一貫していて、それはCGが多様されたシーンでも遺憾なく発揮されている。主人公が過去を回想す>>続きを読む

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3(1990年製作の映画)

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4Kニューマスター版にて。

自分にとっての最愛の人は、現代にはいないっていう発想はカルチャーショックかもしれない。

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(1989年製作の映画)

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4Kニューマスター版にて。

子どもがおもちゃを手で持って自由に遊んでいるようなキャストや車の動線が目を見張る。

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

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4Kニューマスター版にて。

BTTFは過去や未来を変える物語ではなく、今を取り戻す物語なんですよ。

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

3.4

余命宣告モノの中でも突出したクオリティの一本。

余命宣告され、一見残りの時間をめちゃくちゃに過ごしているように見える主人公。しかし、そのどれもが建設的で、人生の本質を突いているように感じる。

その
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星の子(2020年製作の映画)

3.4

原作は未読。

人間の根源的な部分を揺さぶられた。お腹の中で生が宿った、或いは親から産み落とされた瞬間に誓約が親との間に結ばれてしまっているのかもしれない。

しかし、それは宗教や家族といった人間が作
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トータル・リコール 4Kデジタルリマスター(1990年製作の映画)

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ポール・ヴァーホーヴェンという作家を初めて意識しながら観た。

一般市民みたいな人たちが無駄にめっちゃ死ぬなあと感じていたが、それらはすべてポールが幼少期に目にした戦場から起因する演出。死体が転がる風
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アイヌモシリ(2020年製作の映画)

2.6

アイヌの伝統、文化を丹念に描き切っていることは評価できる。逆に言うとそこに没入できないとなると、一気に形勢が逆転する。真面目に撮ろう撮ろうとするあまり、映画作家の癖、強みのようなものが薄い印象。

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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

2.5

キャラクター像ディテールの掘り下げが不足し、ストーリーに厚みが出てこない。主人公夫婦はどのように出会い結婚して、序盤のやり取りに繋がるのか、この一点を補強するだけでも、その後の展開に合点がいったり、辻>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.1

いわゆる事例をとことん見せつける構成に、終わりや休みのない育児、生活、人間関係がリンクする。流れるようなストーリーではなく、目の前で起こる出来事が淡々と描かれ、ひとつひとつに向き合わなければと思わされ>>続きを読む