蛇らいさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.3

どうお金を稼ぎ、何にお金を払うのか、選択のすべての角度から人間の本質を暴き出している。アウトなサーカスを生業とするもの、それにお金を落とすものの加害性を端的にストレートに描き切った。

編集点のアイリ
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

2.7

バットマンとリドラーが互いに並行して突き進む展開で、付かず離れずの真の正義攻防は楽しめる。バットマン誕生譚としてのプロットとしては良い。

ダーク、ダークと言われがちな作品ではあるが、ダークなのは色調
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SING/シング(2016年製作の映画)

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実写作品ばりのカメラワークが光る。アクションも及第点。

ミミック(1997年製作の映画)

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クリーチャーの造形のみならず、この頃からずっとデルトロだった。撮影、青みがかった色彩設計とケミカルライトのオレンジ色の対比は一貫性を持っている。実験室や病床などのプロダクションデザインも粗末にしない。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.2

話運びの上手さはリメイク元の作品から起因するものだとして、映画の1番の盛り上がりである歌唱シーンが主に3つ存在する。観客に感動を促す最大のシークエンスを3つに散らしたことで、感情の焦点の合わせづらさと>>続きを読む

フレッシュ(2022年製作の映画)

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何を隠そう撮影監督は『ヘレディタリー 継承』『ミッドサマー』のパベウ・ポゴジェルスキ。流れるようなスムーズな動線の上をカメラが進んだかと思えば、反転や静止、クローズアップを無秩序に操り不安をあおる。>>続きを読む

余命10年(2022年製作の映画)

3.7

演出の間違いのなさ、役者陣の盤石さに圧倒されつつ、理屈を超越して感動させられてしまった。

同窓会で2人きりになる場面で、慣れない場で勢い任せに酒を飲んで嘔吐する和人を茉莉が介抱するシーンがある。茉莉
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オーディブル: 鼓動を響かせて(2021年製作の映画)

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撮影や編集がもはやフィクションの作品と同等なのがスタンダード。

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

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ボーイバンドが、意図的に間抜けた狂言回しとして描かれていることが重要だったりする。

クローバーフィールド/HAKAISHA(2008年製作の映画)

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映画体験として度肝抜かれた。映画史的にも結構重要なのでは。

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

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話の運びは鈍臭いが、オリヴィア・コールマンの悲壮感は身に迫るものがある。

タミー・フェイの瞳(2021年製作の映画)

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日本人はこれをどう観ればいいのかガイドが欲しい。配信オンリー作品はどうしてもそれがおざなりになる。

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

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劇中での時間の豊富な描き方、ミュージカルシーンの突出した演出力を、自身のキャリアと共に説得力を持たせている。

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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久々に面白さにぶん殴られた。やっぱりこのくらいシンボリックで、わざとらしい映画に惹かれる。

アジズ・アンサリのナイトクラブのコメディアン(2022年製作の映画)

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日本の芸人は社会問題をジョークにするときに筋違いな方向に行くのを恐れ、あくまで「お笑い」の中で笑いを取るが、アジズ・アンサリは言葉の端々が聡明で、確実に社会と接続させる。言葉のポテンシャルの広げ方に鳥>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

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フェミニニティとマスキュリニティが、居心地が悪そうに同居している。人の中にも、環境にも。ジョニー・グリーンウッドの音楽はやはら印象的。

アントラーズ(2021年製作の映画)

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スコット・クーパーの前作『荒野の誓い』から継続して先住民をベースに物語を構築。とんでも生物に槍で挑んであっさり倒しちゃう。今まで紡いできた時間なんだったの素っ頓狂さは否めない。

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.3

これから何か凄まじいものが始まると予感させる長回しのファーストカット。荒廃した瓦礫の中を上空からすり抜けるカメラワークから物語が始まる。物語はこれからこの街とともに崩れ去る人々を暗示させるかのような見>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

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人類への絶望に皮肉や哀れみだけを明示して逃げていく様にも感じられた。監督自身の当事者性が欠けている。

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

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何度目かの。

ヤヌス・カミンスキー参加前の作品。それでもスタッフは精鋭揃い。いかにも失敗しそうなテーマ、新技術へのチャレンジに成功しているのは、スピルバーグの抜群の映画感度や、フィル・ピペットの特撮
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マクベス(2021年製作の映画)

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教養がないと言われればそれまでだが、古典でこのテンションは正直しんどい。

ノイズ(2022年製作の映画)

3.4

常に流動的に展開されているにも関わらず、これほど抑制の効いた演出力は、昨今の日本映画では珍しい。

反して、社会問題に切り込んだようなシチュエーションにも感じるが、制作側がそれほど注力する意欲がないの
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タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

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ケアしているのが自分自身というなんというリアリズムか。

ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

3.2

序盤のスペングラー博士のシークエンスからスピード感と重厚感が押し寄せ、興奮の坩堝と化す。PKEメーターを始めとするツールの登場のさせ方、劇中での用い方もこれ見よがしの乱暴さがなく、極めて上品だ。

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ユンヒへ(2019年製作の映画)

3.3

マルチバースとか、社会背景とか、映画産業がどうとか、それらに疲れていたところにこの作品の染み入るようなテンションに安心した。付かず離れずの絶妙な塩梅で描かれるドラマと人間模様が心地よい。

岩井俊二的
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前科者(2022年製作の映画)

3.4

牛丼を作り対象者を迎え入れるというお決まりのパターンから、対象者が取るアクションによってキャラクターを描き分けるという細やかさが好印象だ。お腹いっぱいであろうと、何も言わずにいただく描写はセリフがなく>>続きを読む

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

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何度目かの。
吹き替えはフジテレビ版が至高。ダナが噴水広場で着てる厚手のポンチョがかわいい。

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

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現在と過去の対比が弱いせいで、どっちの時代にどう思いを馳せれば良いのか、ふわふわしている。

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

2.4

親密な間柄以外の場所にまで触手を伸ばし、慈悲深さのポージングをとる、とれてしまう居心地の悪さがそこにあった。主人公が悪者的に立ち回っている反対側で、正しく見えていた他の学生や親、世間の方が実は間違って>>続きを読む

ナイト・ハウス(2020年製作の映画)

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被写体として写らない物を、恐怖の対象としてどうアプローチするのか役者の技量が試されるが、レベッカ・ホールはさすがの身のこなし。

ホラーというジャンルに付随しがちな、観客の視点のハードルが低いことへ甘
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

2.7

脚本の突飛さに対して上手くまとめられているものの、空気感や細部のディテールに関してはこだわりが見受けられなかった。

作劇のルールが判明してからの反芻するシーンに、驚きやカタルシスがない。極めて作為的
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僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

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自叙伝モノは名手、名作が数多いため、ジョージ・クルーニーレベルだと平凡な仕上がりしか望めない厳しいジャンル。

夜の大捜査線(1967年製作の映画)

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白人が享受しやすいような黒人描写と言われがちな作品ではあるが、白人実業家、白人警官、頭脳明晰な黒人警官、使用人や綿花農園で生計を立てる黒人と、格差社会を人種間のみならずフラットに描けている。

シドニ
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