憑依してたのか、してなかったのかは、結局観客にもわからない。肝心なところはビデオで撮影されたところしか見えないから。妹と一緒にそれを信じるしかない。
AVのモザイクをかけるのが仕事の男は、同じように>>続きを読む
リアルに帰らなくちゃね!って散々言いながら、もうリアルがよく分かんなくなっちゃう。ヴァーチャルに沿ってリアルがつくられているよね、もう。
理屈じゃなくて、好きとか嫌いとかじゃなくて、人間ってこんなふうだよなと思える、かっこよさとかっこ悪さがあった。
映画館でこんなふうに盛り上がる経験は初めてで戸惑っている。映画じゃなくてテレビの盛り上がりに近かったと思う。
答え合わせしていく感覚。
すごい壮大なメイキングを見せてもらったかんじ。
一番感動するのは>>続きを読む
東出くんの亮平がほんとに最高なんですよ。あんな男いないよ。ふとでる言葉の力加減とか、やわらかさとか全てがいい。
みんなが「信じたいもの」を必死で探してるいま、「信じられないもの」の深さや恐怖を、また>>続きを読む
希望だけじゃない、もっとドロトロした「家族」なるものへの問いかけ。自分の心に素直である人たちが心地よい。
故郷を離れた監督が消えつつある街を懐古する。監督はひいくんを見つけて、彼に嫉妬したのかもしれないと思った。だからひいくんは監督の架空の分身として、天使みたいに町をまわる。
仮面つけてる兵士がめっちゃ不気味で、叩いてもよさそうな雰囲気出してるのが怖い。王様をいいやつに見せようとしてるけど、スターリンとの関係がありそう。
大事なところは全部カメラの外でおこっているのが控えめでいい。ドワネルの動きはキートンみたい。
ガンガン鳴り響く取り壊しの音に囲まれながら、ゴホゴホひたすらクスリをやりつづけるヴァンダたちの、剥き出しの命。火のでなくなったライターの山が、あの部屋で流れた時間の長さを伝える。
ヴァンダがふっとみ>>続きを読む
「思い出すことは、再び生きること」って誰かが劇中で言う。この映画は、まさにひたすら過去を思い出す。なんでこの稀有なグループが生まれたか、なぜ彼らはずっと忘れられていたのか。
前作にはなかった革命との関>>続きを読む
冒頭から戦車バンバン出てきて、ものすごいカメラワークで、ほんとソ連の本気映画はすごいなあと思う。
物語は、戦争の悲惨さを描いているようで、残酷さは排除されて、みんないい人になってしまう。主人公のいい人>>続きを読む
とぼとぼ進むあの水陸両用車に乗っているときが、一番幸せそうな時間だった。つかの間の青春。
明日には変わってしまう、移り気な感情や関係を彼らは精一杯生きている。映画が終わったあとも、ちゃんと生きているよ>>続きを読む
水着でローラースケート、バイク二人乗り。二人の動きが生きてて、ぜんぜん古びない。
増村の映画の人々は、強い情念みたいなものをみな持っているけれど、説明的にはならない。アクションがそれを追い越し、それを>>続きを読む
人間がだんだん音と光だけになっていくドキドキの展開。ゴシックホラーのような城のなかにスピーカー満載。乱反射してそれに当たらないようにする。
新聞の文字のひとつひとつにどれたげ血が通っているかよくわかった。無駄のまったくない、簡潔で強い演出。
「革命」とか、「世界」って言葉が死ぬほど出てくるけど、まったく空回りしていない。その言葉を使うだけの意志と強さは、映画的な強さとして画面にはりつめていた。
すばらしのは誰一人として国家に頼ってないこと>>続きを読む
何も示さないように撮る、っていう不可能なことを必死でやろうとしている。そのためには、語る自分を全面に出すしかない。
深田さんの最高傑作だと思う。神さまみたいな人も、津波のつらい記憶も、すべてカメラで撮られて世界にすぐ流れる時代。ディーンさんの映画文法を無視する奇跡の動きには単純だけど新鮮な驚きがある。
大事なのはひ>>続きを読む
どきどきする恋のサスペンスと、のびのびするワンショットの奥行きがあって、みんな好き。深刻になるよりも、正直に悩みながら、風船膨らませる感じで人と付き合いたい。
映画のリアリズムは、誠実さからしか生まれない。人の感情と行動にどこまできっちり付き合うかだと思う。どしどし歩いて、がつがつカレーのルーを平らげて、ごくごく酒を飲む。好きとか嫌いとかじゃなくて、放ってお>>続きを読む
観終わって、自分が18歳のときを懐かしいとは思わなかった。それよりも今いる場所を「注意して」見てみようと思った。レディ・バードは感傷に浸るのではなくて、今あるサクラメントの空気を感じようとしてるから、>>続きを読む
幼い頃にしたこと、されたことが不安になって頭から離れない感覚はよくある。にしても監督の本気の顔がすごい。
かなりヤバイことをやってるけど、PTAの映画なので騙されるほどに華麗。
こんなかたちで描ける愛を、観客に納得させてしまう力強さはほんとに感心。そこらへんの恋愛映画が霞んで消える。
あの家族はある種のユートピアだった。血とかいう胡散臭いものじゃなくて、寂しさとお金の必要性から生まれる、切実なつながり。だから前半に積み重ねられる畳の上での団らんは、リアルかつ心に迫るものがある。
で>>続きを読む
子どもが大人びてしまう瞬間と、大人が子どもみたいに振る舞ってしまう瞬間のどちらもがありのままに映ってる。どちらにも共通しているのは自分の感情を守ろうとしていること。
子どもがカメラにむかって「撮らない>>続きを読む
映画や写真や歌って、人が覚えられるのに大事だなって思いました。祭壇に写真があるかとか、デラ・クルスはTVによって失墜するとか。
くるくる回る芹明香の生き方を前にして、同情とかぬるいこと言ってられない。執念と気だるさのブレンドが絶妙。
こういう映画は大事にしないといけない。地に足がついていて、誠実で、切実にキャラクターを描いている。
明らかに違和感のある飛行機の騒音が、まさに当たり前のように生活に溶け込んでいる、そのことから相当イカ>>続きを読む